LINEの悩みは今も「既読スルー」──14年半で変わった若者の「未読」文化と、“既読機能”を消さないLINEの真意(3/3 ページ)

» 2026年03月02日 15時00分 公開
[鈴木朋子,ITmedia]
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なぜLINEは「既読」機能を維持し続けるのか?

 LINEが生活に深く根付いた今、ユーザーはどの程度「既読」を意識しているのでしょうか。ニフティキッズが行った小中学生を中心とした子どもたちへの調査では、グループチャットで懸念することの第1位は、やはり「既読スルー」(57.7%)でした。

 次いで「会話の終わらせ方」も上位にランクインしていることから、引き際が分からず結果的に既読スルーを選択せざるを得ないケースも多いと推測されます。また、「未読スルー」も5位(34.8%)に食い込んでいます。

photo 小中学生の悩みでは「既読スルー」が最多(出典:ニフティキッズ)

 また、高校生新聞が中高生を対象に行った2021年5月の調査によると、「未読のままにし、都合の良いタイミングで返信する」という回答が66%と最多を占めました。

 返信が遅いと感じる基準は「2〜3日以内」「半日以内」「1日以内」がそれぞれ2割強という結果です。数年前のデータですが、現在の傾向もこれに近いと推察されます。調査結果からは「LINEは返さないのにInstagramは更新している」といった未読スルーへの不満が散見される一方で、逆に「返信が早すぎるとプレッシャーを感じる」という声も上がっています。

 大人については近年の詳細なデータこそ乏しいものの、既読・未読のタイミング以上に、言葉遣いや文面そのものにストレスを感じる傾向が強いようです。仕事などで常時画面を確認できない状況が多いため、普段はあまり気にしません。しかし、恋愛関係やママ友、あるいは関係が悪化している相手など、相手の真意を測りかねるデリケートな状況においてのみ、「既読」の状態が強い関心事となるのでしょう。

 ユーザーの心理を揺さぶり続けてきた「既読」機能ですが、その誕生の背景にはある重要なエピソードが隠されています。

 LINEがリリースされたのは、2011年3月の東日本大震災からわずか3カ月後のことでした。「既読」マークは、たとえ被災して返信ができない状況にあっても、安否や意思を確認できるようにとの願いを込めて設計された機能なのです。だからこそLINEは、ユーザーから廃止や選択制を求める声が上がっても、この仕様をかたくなに守り続けてきました。今後も、緊急時における命をつなぐホットラインとして、「既読」機能は変わらず受け継がれていくはずです。

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