App Storeの牙城を崩せるか? ソフトバンク陣営BBSSが挑むiOS代替ストア「あっぷアリーナ!」の勝算と課題石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2026年04月04日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

手数料20%のストアビジネス、決済手段の多様化も

 では、BBSSはなぜあっぷアリーナ!を立ち上げたのか。同社は、ソフトバンクグループの一員で流通業を担うSB C&Sの完全子会社。コンシューマー向けサービスとしては、子ども用見守りGPSの「まもサーチ」や、IoT家電の「+Style」、セキュリティサービスの「セキュリティONE」などを展開している(ただし、+Styleは4月30日に事業譲渡される)。

 キャリアのソフトバンクともシナジーを発揮しており、まもサーチはソフトバンク回線を利用、セキュリティONEはソフトバンクのオプションサービスに組み込まれている。

あっぷアリーナ! BBSSは、セキュリティや見守りサービスを提供するSB C&Sの子会社だ

 見守りやセキュリティサービスを提供する会社がなぜアプリストアを……と思われるかもしれないが、親会社のSB C&Sが展開する事業とは親和性が高く、BBSSの本業とも距離が近いという。本多氏は、「親会社のSB C&Sはソフトバンク創業からのソフトウェア流通業を今でも脈々と引き継いでおり、BBSSもソフトウェアディストリビューションはDNAに組み込まれている」と語る。

 ソフトウェアの開拓は、むしろソフトバンクの祖業に近い。ストア自体も、先に述べたように提携先であるAptoideのプラットフォームを活用している。Aptoideは、海外で代替アプリストアを展開する事業者。その機能を使いつつ、BBSSは「日本向けのゲームの開拓やマーケティング、プロモーションを担当している」(橋本氏)という分業体制を取る。

あっぷアリーナ! Aptoideは、iOS、Android向けの代替アプリストアを手掛けるポルトガルの事業者。あっぷアリーナは、このプラットフォームを活用している

 デベロッパーに課す手数料は20%。これを、BBSSとAptoideでレベニューシェアするビジネスモデルを採用する。ただし、iOSの代替アプリストアでアプリを配信するには、Appleに対し、コアテクノロジー利用料として5%の手数料を支払わなければならない。そのため、デベロッパー側にかかる手数料は、合計で売り上げの25%になる。先に挙げたユーザー還元もこの手数料が原資になる。

 決済手数料は、BBSS側の取り分である20%から支払われる形になる。現在はクレジットカードとPayPalのみの対応で、そのぶんBBSS側にコストがかかってしまうが、グループ内取引になるソフトバンクのグループの決済手段への対応も「鋭意準備中」(同)だという。これもソフトバンクグループが手掛ける優位性の1つ。PayPayやキャリア決済などを導入できれば、コスト削減と同時にユーザーの利便性も上がることになりそうだ。

あっぷアリーナ! 配信のための手数料はBBSS側に20%、Appleに5%払う必要がある。デベロッパーの取り分は、売り上げの75%だ

 また、BBSSが開拓した日本のアプリを、Aptoideを通じて海外に配信することも検討しているという。単にプラットフォームをローカライズし、日本に展開するだけでなく、ソフトウェアの輸出を目指しているというわけだ。これも、欧州に展開するAptoideをパートナーに選んだ理由になる。

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2026年04月05日 更新
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