2025年12月19日、通称「スマホ新法」が施行された。 正式名称は「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」という少し難しい名前だが、私たちのスマホ生活はどう変わるのか。本記事では、ユーザー目線の変化をシンプルに解説する。
スマホ新法は、実質的にアップルとグーグルの2社を規制するための枠組みだ。私たちユーザーへの影響を解き明かすと、大きく分けて「アプリストア」と「チョイススクリーン」という2つの論点が浮上してくる。
まず大きな変化が訪れるのは、「App Store」や「Google Playストア」といった公式アプリストアの在り方だ。これまで当然だと思っていたルールが塗り替えられる。ユーザーが特に注目すべき変化は、具体的に以下の3点である。
Androidでは、既に一部条件でサードパーティー製の課金システムを選択できる状況や、外部のアプリストアなどが存在していた。
一方、iPhoneユーザーにとっては初めて経験する変化ばかりであり、少なからず戸惑いが生じるかもしれない。
もっとも、外部サイトで直接契約する方がアプリ内決済より安価になるケースは、以前から存在していた。これまではアプリ内から外部サイトへの誘導が禁じられていたにすぎない。今後、その誘導が解禁されたとしても、「外部サイトの方が安くなりやすい」という基本的な構図自体は変わらないと見られている。
特に、デベロッパーが支払う手数料負担が軽減されるという点において、「アプリ内のURLから外部サイトへ誘導して決済する」形式や、「外部アプリストアからアプリを購入する」という流れは、今後徐々に普及していく可能性がある。
ユーザーにとっては、外部サイトや外部ストアを利用することで「通常より安く購入できる」という大きなメリットが生まれる。しかし同時に、それらのサイトやアプリの安全性に問題がないか、自ら見極めなければならないというデメリットが伴うことも忘れてはならない。
たとえサードパーティー製のアプリストアに一定の対策(Appleによる「公証」プロセスなど)が施されるとしても、それを「万全」と信じ込むのは危険だ。悪意のあるアプリが網目をすり抜けてくるリスクは、決してゼロにはならない。
既存の脅威として特に警戒すべきは、最初は「安全なアプリ」として審査を通過し、人気を得た後に豹変するパターンだ。ある日のアップデートを境に外部サイトへ誘導し、その先で牙を向くという手口である。
例えば、アプリ内で「最新版への更新」を促され、誘導先の外部サイトでソフトウェアをダウンロードした結果、マルウェアに感染してしまう。こうしたリスクシナリオは常に頭に入れておくべきだ。自衛手段として、「ベイト・アンド・スイッチ(おとり)攻撃」や「更新を装ったトロイの木馬」といった典型的な攻撃パターンについて、あらかじめ知識を蓄えておくのが賢明だろう。
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