App Storeの牙城を崩せるか? ソフトバンク陣営BBSSが挑むiOS代替ストア「あっぷアリーナ!」の勝算と課題:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2026年04月04日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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手数料差1%の壁はどう超える? App Storeの牙城を崩せるか

 競争の結果として、App Storeにない特徴を打ち出したあっぷアリーナ!が登場したことはスマホ新法の成果といえるが、普及にはまだ課題もあるように感じた。1つは、どのようにアプリを開拓していくかということだ。代替アプリストアには、Appleよりも低い手数料を期待していた向きも多いが、あっぷアリーナ!の20%だと、App Storeで配信するのと大きな差はなくなる。

 App Storeの手数料は、配信と決済を合わせて26%。あっぷアリーナ!の20%とAppleへのコアテクノロジー手数料を合算すると25%になるため、差分はわずか1%にとどまる。販売数が多ければ、それでも大きな違いにはなるが、ユーザー数は圧倒的にApp Storeの方が多い。現状の手数料体系では、デベロッパー側の経済的なメリットが薄い。

あっぷアリーナ! スマホ新法への対応にあたり、AppleはApp Storeの手数料体系を刷新した。事実上の値下げをしていることもあり、代替アプリストアが設定できる手数料の幅が小さくなってしまった

 5月にサービスを開始するというAndroid向けは、Googleが手数料を課していないため、デベロッパー向けに手数料の安さをアピールしやすい。Google Playとの差は10%にもなる。ただ、「日本はやはりiOSが強い」(同)こともあり、Android版をどこまで伸ばせるかは未知数だ。

あっぷアリーナ! 5月には、Android版の配信も予定している

 あっぷアリーナ!もユーザーに対して5%、キャンペーンで10%のポイント還元を実施しており、さらに決済手数料もかかる。また、収益はAptoideとシェアしているため、むやみに手数料を下げるのは難しい。スマホ新法の施行に合わせ、AppleがApp Storeの手数料体系を見直した結果、代替アプリストアの競争環境がより厳しくなっているというわけだ。

 一方で、アプリの配信は軽微な改修でできるため、複数ある販路の1つと捉えてあっぷアリーナ!を選ぶデベロッパーが出てくる可能性もある。また、App Storeの審査基準の不透明さに不満を抱えるデベロッパーに対し、「直接会話しながら審査できる」(同)柔軟性もBBSSの強みだ。その工数を割いてもらうには、あっぷアリーナ!に一定規模のユーザーを抱えておくことが欠かせない要素になる。

あっぷアリーナ! 既存のアプリの場合、API対応のためにSDKでアプリを改修する必要はあるが、工数はそこまでかからないという

 規模の拡大には、プロモーション強化に加え、ユーザーの呼び水になるキラータイトルも必要になるはずだ。橋本氏によると、「いくつか交渉がまとまりそうになっている」大型タイトルも存在するという。こうした国内のアプリに加え、Aptoideとの協力で、日本のApp Storeにないタイトルをあっぷアリーナ!で展開する計画もある。独自性をいかに打ち出せるかが、成否を左右する鍵になりそうだ。

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