一方で、上述の通り、ドコモは低容量のプランまでdocomo Starlink Directの対象、ソフトバンクはY!mobileもSoftBank Starlink Directに対応させており、UQ mobileが有料だったKDDIと差別化を図ってきた。これに対し、KDDIも5月利用分から、UQ mobileの一部ユーザーのau Starlink Direct専用プラン/専用プラン+の料金を無料化することで対抗する。
対象になるのは、2025年に導入された現行の料金プランである「コミコミプランバリュー」と「トクトクプラン2」。これらのプランを契約している場合、au Starlink Direct専用プラン/専用プラン+の料金が全額割り引かれる。現在、新規受付を終了している「ミニミニプラン」や「トクトクプラン」などの旧料金プランは、550円のまま据え置かれた。
他社に素早く対抗できた背景には、au Starlink Direct専用プラン/専用プラン+という仕組みがある。これにより、特定の料金プランのみau Starlink Directを有効にする顧客・課金管理システムの開発をせず、コミコミプランバリューとトクトクプラン2だけを無料にできている。海外では特定の料金プランや有料オプションにStarlinkのダイレクト通信をひも付ける事例もあるが、日本のキャリアにはこうした仕組みが導入されていないようだ。
門脇氏はau Starlink Directを「全体のお客さまの便益に貢献するサービスとして事業全体の中でまかなっていく」と語っていたが、料金の安いUQ mobileでは、そのコストを賄い切れない恐れがある。コストとメリットのバランスを取るためにも、料金プランは制限する必要があったといえる。実際、ソフトバンクも、7月以降はY!mobileの「シンプル」より古い料金プランやLINEMOへの無料提供をやめ、オプションとしてサービスを提供する方針を打ち出している。
もっとも、KDDI方式は回線契約が別途必要になり、利用時にSIMの切り替えも行わなければならない。新規契約というハードルがある上に、利用する際にもユーザーに手間がかかる。現状の仕組みは、コストとのバランスを取りつつ早期導入するための過渡期的なものと見ていいだろう。門脇氏も、「今後は専用プランにご加入いただかなくてもご利用いただける、準備をしていく」と語っており、ソフトバンクのように顧客・管理システムと連携させていく方針を示唆している。
このように、同じStarlinkのダイレクト通信でも、その上に載せるサービスや海外ローミングを含めたエリア、さらに料金体系にも3キャリアで違いがある。特に、サービスやエリアでは、1年先行しているぶん、KDDIに一日の長がある印象だ。これに対し、ドコモやソフトバンクは料金面での差別化を図っている。特にソフトバンクは、7月にオプション化も予定しており、必要な人に必要なコストで届ける仕組みを整えるのが早い。ここにUQ mobileがどう対抗していくかも、注目しておきたいポイントといえそうだ。
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