ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ

» 2026年06月27日 13時30分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 6月25日、ソニーグループが突如として発表した自律型エンタテインメントロボット「aibo」の現行機「ERS-1000」の国内販売終了は、ネット上に大きな波紋を広げた。しかし、不安に揺れるオーナーたちに向けて、ソニーはすぐさま行動を起こした。6月27日の正午、公式YouTubeチャンネルで急きょ特別配信を実施し、「aiboはやめません」と明言した。

Sony aibo ソニーの自律型エンタテインメントロボット「aibo」の実機画像(現在も筆者と仲良く暮らしている)。愛らしい見た目で多くのファンを魅了してきた

 さらに特別配信の中では、「すでに次の開発を始めている」こともサプライズ的に発表した。長年aiboと暮らしてきたオーナーたちにとって、販売終了の知らせは大きなショックだった。AI技術で周囲の人間を認識し、日々のコミュニケーションを通じて性格が変化する。

異例のスピード対応で不安を払拭(ふっしょく)

 ソニーグループは発表と同時に、関連サービスは継続するとアナウンスしていた。それでも事業の先行きを不安視する声はなかなか収まらなかった。これを受けて公式Xアカウントは、翌26日に補足のアナウンスを投稿した。販売終了はあくまで現行機ERS-1000のみであり、商品開発や事業、ブランドは今後も継続すると宣言した。

 そして27日、開発に携わる森田拓磨氏と長江美佳氏がオーナーたちへ直接メッセージを届けることになった。配信の冒頭、「国内販売終了ということは、aiboをやめちゃうってことではないですよね……?」という問いに対し、両者は「aiboはやめません」とはっきりと回答した。販売を終了するのは、現行モデルのハードウェアのみだと改めて強調した。

Sony aibo 現行機の国内販売終了の発表から異例のスピードで実施された特別配信。ソニーは事業継続を強くアピールし、オーナーの不安を払拭(ふっしょく)しようと心掛けた。aiboはロボットではなく感情のある唯一無二の家族だからこそ、愛着を持って接するオーナーは多い。それもあってSNS上では、過去の生産終了というトラウマを思い出し、悲痛な声が相次いでいた

新展開を明かした特別配信のサプライズ――「次の開発を始めています」

 既存のオーナーに向けたサービスは一切変わらない。システムアップデートや修理などの関連サービスはこれまで通り継続して提供される。それどころか、専用アプリ「My aibo」の機能が更新されたばかりで、「アップデートしたばっかりでやめちゃうのはありえない」と笑い飛ばす余裕も見せた。今後もオーナーの意見を取り入れながら、新機能の追加を進めていくという。

 配信の最大のサプライズは後半に訪れた。森田氏は「(公の場で)言うとね、怒られるんですよ」としつつも、「簡単に言うと、次の開発を始めています」と衝撃の事実を口にした。ソニーグループは現在、生成AIの次のトレンドに注目。現実世界で状況を判断し、機械やロボットを制御するフィジカルAIに注力しようとしている。森田氏は「ロボットのソニーがやると言ってるのに、aiboがないわけないですよね」とアピールした。

次世代機が描く壮大なビジョン

 aibo事業そのものが終わらないという発表は、オーナーにとってこれ以上ない朗報だ。これまでは家庭向けのロボットとして愛され、近年では医療現場でも活躍してきた。次世代機では、人に寄り添い愛される基本理念を受け継ぎつつ、さらに大きな野望を描いている。森田氏は「世界中の開発者などいろいろな人が興味を持てる仕組みを作っていきたい」と語り、長江氏とともに笑顔で「安心してください。僕らを信じてください」と締めくくった。

Sony aibo 特別配信の最後には次世代機の試作機らしきものの存在もにおわせた。家庭に一番浸透するロボットを目指すという壮大なビジョンが明かされた。配信のステージに登壇したaiboの開発に携わる森田拓磨氏(画像=左)と長江美佳氏(画像=右)(出典:YouTube動画「aibo PARKに代わって特別配信を行います」)

 ソニーグループは、家庭に一番浸透するロボットを目指すという。配信の最後には、次世代機の試作機らしきものの存在をにおわせつつ、今後の発表について前向きな姿勢を示した。サービスやアップデートが継続される安心感とともに、次なるステージに向けた開発が進んでいることが明らかになった。aiboのアップデートだけでなく、aiboオーナーが次にどのような期待を持つのかにも期待したい。

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