USB PPSによる急速充電を活用するには、スマートフォン、充電器、ケーブルの全てが対応している必要がある。どれか1つでも仕様を満たしていないと、スペック表の性能は発揮できない。
スマートフォン側の確認方法はシンプルだ。メーカーの公式スペックページや付属マニュアルに「USB PPS」の記載があるかどうかを確認すればよい。一方で、前述の通り記載がないメーカーもあるため、その場合は純正アクセサリーやキャリアの推奨充電器の仕様が判断材料になる。
充電器側は、製品仕様に「PPS 55W」や「PPS対応」と明記されているものを選ぶのが重要だ。廉価な充電器では「USB PD 65W対応」と書かれていても、PPSに非対応なこともあり、急速充電が有効にならない場合がある。
その上で電圧と電流の組み合わせを確認しておくと、より安心して選べる。これはPPS対応であっても電圧レンジが9Vや11Vまでの製品や、5Aの出力に非対応の製品があるためだ。端末側が対応する組み合わせによっては、急速充電ができない場合がある。
例えば、USB PD 65Wに対応した充電器でも、USB PPSの範囲が9V-3A/11V-3Aの場合は、最大で33Wまでしか出力しない。充電器を選ぶ際は商品の仕様を確認しておこう。
ケーブルは「eMarker(イーマーカー)」と呼ばれるICチップに対応したものを選ぶ必要がある。eMarkerは、60Wを超える高出力(100Wや240Wなど)に対応するケーブルには必須なので、速度が思ったよりも出ないと感じた際はケーブルの仕様も確認してほしい。
USB PPS対応充電器は、家ではもちろん、仕事用のバッグに1台忍ばせておくと非常に重宝する。USB PPS対応充電器は中国メーカーのスマホからGalaxy、Pixelだけでなく、日本メーカーのスマートフォンまで1個でカバーでき、USB PD3.0に対応するノートPCやタブレットもまかなえる汎用性の高さが魅力だ。
近年は100W級のGaN(窒化ガリウム)充電器でUSB PPS対応モデルも増えており、コンパクトで複数ポートを持つ製品も選びやすくなっている。車で使う際のシガーソケット用のカーチャージャーもUSB PPS対応のものが登場している。
純正充電器へのこだわりが必須ではなくなりつつある今、USB PPSという共通規格の存在を知っておくだけで、充電環境の選択肢は大きく広がる。対応機種、充電器、ケーブルの組み合わせを正しく把握した上で、スマートな充電環境を構築してほしい。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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