飛行カメラブランド「HOVERAir」を手掛ける中国のZERO ZERO ROBOTICSは9月7日、東京都内で新製品「HOVERAir VERSA」の発表会を開いた。3軸ジンバルを備えた手持ちカメラに、67gのフライトウイングを取り付けると自律飛行カメラになる製品だ。国内では9月29日から11月13日までMakuakeで先行販売する。
価格は、本体とフライトウイング、三脚などを組み合わせたスターターセットが13万9800円、これに小型コントローラーやNDフィルター、予備バッテリーなどを加えたオールインワンセットが17万7800円だ。Makuakeでは数量限定でそれぞれ12万7900円、16万2600円で販売する。
ZERO ZERO ROBOTICS創業者兼CEOのMQ Wang氏は、発表会で実機を手に取り、画面を回して撮影できる状態にした上で「皆さんが使っている他のブランドのポケットカメラと同じだ」と述べた。次に本体背面のカバーをスライドさせ、マグネット式の「MagLatch」でフライトウイングを装着すると、手のひらから離陸して3m先まで飛び、撮影を終えて手のひらに戻ってきた。撮れた写真はその場で本体の画面に表示される。
Wang氏はこの一連の動作を見せた上で「一人称と三人称、両方の視点を1台で得られるデバイスだ」と説明した。飛ばして撮ることについては「1人で旅行しても家族と旅行しても、誰も置き去りにならない。同じ画角に自分も収まる」と述べ、飛ばす必要がないときは手持ちで目の前の光景を撮ればよいと付け加えた。
VERSAの本体は、3軸ジンバルと1.64型のタッチディスプレイを備えたポケットサイズのカメラだ。1/1.3型のセンサーを搭載し、4K/60fpsと10bit HDRの動画撮影、ロスレスの2倍ズームと縦撮影に対応した。10bitのH-Logは今後の対応を予定している。
センサーのダイナミックレンジは17.5段で、Wang氏はiPhone 17 Pro Maxの14段より広いと比べてみせた。夕焼けや薄暗いバーのように明るい場所と暗い場所が同じ画面に入る場面で、どちらもつぶさずに撮れるという。バッテリーは着脱式で、手持ちなら1回の充電で3時間撮影できる。
飛行時間は14分、最高速度は時速36キロだ。被写体を追いかけるモードなど10種類以上のハンズフリー飛行モードに加え、新機能の「AIフレーミング」は被写体の位置を判断して構図と撮影位置を自動で決める。「3D Worlds」は、周囲を回りながら撮影した映像から空間を3Dデータとして再構築し、撮影後に別の角度から眺められる。
撮影後の映像を短いVlogに仕立てる「AI自動編集」は、手持ちで撮った長い一人称の映像と、飛ばして撮った三人称の映像を混ぜて場面転換を作る。利用には別途料金がかかる。オールインワンセットに付属する小型コントローラー「MiCo」は、手動飛行や離れた場所からの撮影に使う。MiCoにはマイクとスピーカーも入っており音声で操作できるが、ジェスチャー操作と音声操作の国内での提供時期は未定だ。
発表会後の体験会で実機を試した。手持ちのジンバルカメラとして無理のないサイズ感で、2倍ズームも実用的に使えそうだ。フライトウイングの装着は、本体背面のカバーをスライドさせてから本体をはめ込み、折りたたまれたプロペラを開くだけで終わる。外すときはプロペラを閉じ、ボタンを押しながら引き抜く。
飛ばすのも手軽だ。一般的なドローンのようにスティックで機体の位置や向きを細かく操作する必要はなく、本体の画面で撮影モードを選んで手のひらから離陸させると、あとは機体が自分で飛ぶ。自分の周囲を周回する、その場にとどまって撮る、歩く自分についてくる、離れながら引きの画を撮る、真上から見下ろすといったモードを選べる。
飛ばしたときの安定感は、99gの「HOVERAir X1 Smart」より明らかに高かった。会場のスタッフによると、機体の構成がX1 PROやX1 PROMAXに近いため、X1 Smartより風の影響を受けにくいという。
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