スマートフォンの自撮り機能やアクションカメラの進化により、誰もが手軽に写真や動画を撮影できる時代となった。しかし、空からの視点で自分の姿を撮影するとなると、これまではドローンの専門知識や操縦技術が必要で、ハードルが高かった。
そんな中、ZERO ZERO ROBOTICSが発売した「HOVERAir X1 Smart」は、ドローン操縦の経験がない人でも使える、新しいタイプのカメラドローンだ。142×111×27mmというコンパクトなボディーに、人物の自動追従や多彩な自動撮影モードを備え、スマホアプリから操作可能。これまでにない自撮り体験が楽しめる。
手のひらから離陸させ、あとは自動で動き回って撮影してくれる手軽さは、まさにパーソナルカメラマンを持ち歩いているかのような感覚だ。
本製品は4つのセットで展開されている。本体のみの基本セットが5万9980円(税込、以下同)、専用キャリーケース付きの標準セットが6万4980円、さらに予備バッテリーが付属するプレミアムセットが6万9980円となっている。
最上位のオールインワンセットは7万4980円で、本体、キャリーケース、予備バッテリーに加え、外出先での充電に便利な大容量充電ハブが付属する。用途や予算に応じて柔軟な選択が可能だ。
本機の最大の特徴は、AIによる自動撮影だ。専用アプリ「Hover X1」をインストールしたスマートフォン(iOS 12.1以上/Android 9.0以上対応)があれば、誰でも簡単に空撮を楽しめる。ボタン1つで手のひらから離陸し、人物を自動で認識して追従撮影を開始。撮影が終われば再び手のひらに着地する。
スマートフォンとの接続にはBluetoothとWi-Fiを用いており、写真の転送やリアルタイムプレビューを見ながらの操作、ドローンの管理などが行える。
基本的な撮影モードは5つのモードを用意。本体のボタンから選択できるため、スマホも不要で起動できる。人物を自動認識し、それぞれ特徴的な動きで撮影してくれる。
基本の5つの撮影モードは5種。アプリから操作する高度な撮影モードもある
撮影モードはこの5つの基本モード以外に、アプリからより多彩な拡張モードを選択できる。歩く人を前方から撮影するフロントフォローモードなど、より表現の幅を広げる撮影スタイルを選べる。さらに、スマートフォンでリアルタイムに操作するマニュアルモードも搭載。プレビュー映像を見ながら、自由な操作で撮影できる。
操作に習熟する必要はほとんどなく、初心者でもプロのような映像が撮影できるのが特徴だ。
撮影性能は必要十分なレベルを確保している。動画は2704×1520@30fps、1920×1080@60fps、1920×1080@30fps(HDR)の3モードに対応。数十秒から数分のショートムービーを撮影できる。静止画は4000×3000ピクセル(12MP)で、スタンダードとバーストの2つの撮影モードを備える。
写りの傾向はアクションカメラに近く、コントラストがはっきりしたパキッとした仕上がりが特徴だ。映像は滑らかで、人の目線に近い高さで飛んでいることから、カメラマンが撮ったかのような写りになる。
飛行時は小型掃除機のような音が発生するため、通常は音声の録音は期待できない。ただし、スマートフォンのアプリを使った集音機能があり、強力なノイズキャンセル機能により、撮影時のスマホで吹き込んだ人の声を記録できる。
本体には32GBの内蔵ストレージを搭載しており、撮影したデータはいったん本体に保存される。撮影後はWi-Fiダイレクト接続でワイヤレス転送が可能で、2.7K解像度の大容量データも数秒でスムーズに転送できる。
マニュアル操作時は飛行中にリアルタイムのプレビュー映像が伝送され、カメラアングルの確認をしながら撮影できる。プレビュー映像の伝送は最大30mまでの目視飛行の範囲内で行える。
本機の基本性能は、水平方向の最高速度が7m/s、上昇・下降速度は1.5m/sまで対応する。
手ブレ補正はメカニカル(チルト)、電子式(EIS)、水平レベル補正(HLL)の3段構えで、風力階級4(7.9m/s)までの環境でも安定した撮影が可能だ。ジンバルの可動範囲はマイナス90度から15度で、多彩なアングルでの撮影に対応する。
そよ風程度なら問題なく飛行できるが、やや強い風が吹くと着地時の制御が難しくなる。説明書にも記載があるように、水上など回収が困難な場所での使用は避けるべきだ。
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