留年が決まり、本格的に危機感を持った。「自分の生活を立て直そうと思ったとき、一番時間を侵食しているツールはどう考えてもTwitterだった」。ダイレクトメッセージ(DM)の便利さや卒業した先輩とのつながりなど、それまで何かと理由を付けて続けてきたTwitterだが、今年4月、アカウントを静かに削除した。
「Twitter上での人間関係のこじれというより、ディスプレイ画面にかじりついている自分へのいら立ちが大きかった」と平岡さんは振り返る。今ではTwitterのほか、InstagramやPathなど、他のSNSアカウントも続々と削除しているという。
「最近は友人とごはんを食べている時も、近況を知らないので話していて新鮮ですね。今までは、Twitterのテキストで事前に会話を“予習”しているような感じだったので」と話す。彼女がTwitterをやめたことで、続けてやめた友人もいるという。
「実は僕も2回、Twitterアカウントを“乗り換え”てます」と話すのは、Facebookを使った“ソーシャルリクルーティング”を自ら実践し、ブログなどで大学生のソーシャルメディア事情を発信している慶應義塾大学2012年卒の小俣剛貴さん。
小俣さんによると、TwitterやFacebookは連絡手段や近況報告の場として大学生の間で「もはやインフラ化している」という。「いまさらメールアドレスを聞くのも面倒だし、ある意味やめられない感じ」(小俣さん)
大学生がTwitterなどのSNSに何度も繰り返しアクセスしてしまう行為は「中学生の頃に何度も携帯メールの“センター問い合わせ”を繰り返したのと同じ感覚」と小俣さん。自分の発信内容に対する他人の反応が気になるあまり、過剰にアクセスして確認せざるを得なくなってしまうというわけだ。
小俣さん自身は現在、SNSに投稿する際などに「他人の反応や“バズ”を期待する発信をしすぎないこと」を心掛けているという。他人の意見や感想を求めるような発信を過剰にしないよう心掛けることで、ソーシャルメディアへの依存を防いでいるという。
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