実際にどのくらい違うのか。
室内でISO25600という高感度で黒猫をRAW+JPEGで撮影し、そのRAWデータにニューラルネットワークノイズ低減をかけて現像してみた。
黒猫の毛ってノイズで潰れやすいから、こういう時にもってこいなのだ。
現像結果を通常のJPEG記録と等倍で並べて見たのがこちら。
驚いたことに猫の瞳と、その上にある白い毛をみると一目瞭然。ものすごい差がある。これ、室内でシャッタースピードを上げて撮りたいときに使える。思い切ってISO感度を上げて撮っておき、後でこれをかけちゃえばいいのだ。処理の時間も、アップスケーリングほどはかからない。
高解像度化やAIを使ったノイズ低減は、例えばAdobeの「Photoshop」や「Lightroom」でも搭載しているが、それをカメラ内で行えると思っていい。
今は処理が重いため撮影後の後処理でかけるようになっているが、リアルタイムで行えるようになると撮影時の高感度NRのレベルがぐっと上がりそうだし、今の段階であえてこれらの機能を搭載してきた点にキヤノンの意欲を感じる。
かくして、EOS R5 Mark IIは何でも撮れる汎用性がめちゃ高い次世代デジタル一眼爆誕、って感じでありました。
前モデルから4年。
積層型センサー、視線入力、高速で追従性が高いAFといったその間の基本性能の進化を目の当たりに見せてくれた。
が、それ以上に面白いと思ったのは、特定のシチュエーションでのみ力を発揮する機能に力を入れてきたこと。
サッカー・バスケットボール・バレーボールに特化したアクション優先機能や特定の人物を優先して追尾する登録人物優先がそうだ。スポーツシーンをターゲットにしたEOS R1と同時開発という面もあろうが、カメラとしての基本性能が十分高くなったら、その次はAIを駆使して、ニーズの高いシーンに特化した機能が開発されていくのだろうなと思わせてくれる。
カメラ内でのアップスケーリングやニューラルネットワークノイズ低減もAI時代ならではの機能だ。
使ってるときは、実用性が上がった視線入力と食いつきのいいトラッキングAFが面白くていろいろと撮りまくったのだけど、デジタルカメラの今後の進化をいろいろと考えさせてくれるカメラだなと思う。
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