そろそろこの連続レビューも終盤に近づきつつある。2003年10月の発表以来さっぱり盛り上っていないWindows XP Media Center Edition 2004(以下、MCE2004)搭載マシンだが、日立や富士通のように、春モデルにも搭載マシンを発表するメーカーもあったりして、続くのか続かないのかちょっと分からない様相を呈している。2004 International CESでは新たな構想も打ち出されたようだが、そのあたりは後ほど述べる。
では、マシンの紹介に移ろう。今回はビジュアルテクノロジーの普及版マシン「VT-50」だ。MicroATXのフツーなショップブランドマシンのようにも見えるが、評価したマシンでは拡張スロットにグラフィックスカード、キャプチャカードに加え、サウンドカードも追加されていた。
マザーボードにサウンド機能が用意されているにもかかわらず、サウンドカードを追加しているというのは市販マシンでは珍しい。
80万円のマシンとして話題になった「超」豪華版のVT-100と比較するまでもないが、今まで紹介したマシンと比べると、VT-50は実に簡素な構成だ。
CPUは、発表されたMCE2004マシンの中でもっともロースペックなAthlon XP 2000+。これにKM266Aチップセット搭載のマザーボード(MSI MS-6738/KM2M Combo-L)、グラフィックスカード(RADEON 9200SE 128M)、PC2100 DDR SDRAM256Mバイトのメモリ、80GバイトHDD(Seagate Barracuda 7200.7:ST380011A)が加わる。
そして、サウンドはオンボードの5.1ch(Realtek AL650)を使い、光学ドライブはこれまた第一弾製品群の中で唯一の16倍速 DVD-ROMドライブ(MITSUMI DM-2000TE)と、いままでの製品がミッドクラス以上の豪華仕様だったのに対し、ちょっとホッとするほどのスペックだ。添付ソフトもDVD Video再生用のWinDVD GOLD 5のみとシンプルだ。
ちなみに、先ほど述べたサウンドカードはオプションである(+6600円:CMedia CMI8738/Cobra AW850 Deluxe)。リリース発表時では光/同軸デジタルIN/OUTとアナログ5.1ch出力が付いた「VT-50スタンダードモデル」が16万8000円、デジタルIN/OUTがない「ベーシックモデル」が15万8000円という構成だったのだが、現在は基本スペックで16万8000円と微妙に仕様が変わっているようだ。
評価したのはリリース時のスタンダードモデル相当で、現在のVT-50にサウンドカードオプション追加という構成だ。
メーカー直販ページでは、オプションとしてこのサウンドカードとメモリ増設(256Mバイト追加。8400円)が用意されている。
ハードウェア的にはフロッピーディスクが付いていて、キーボード/マウスがマイクロソフト製(Basic Keyboard/Basic Optical Mouse)というのがちょっと珍しいところだ。メディアカードリーダーの類も付属されていない。
ちなみにUSBは2.0対応で、フロント2/リア4が配置されている。このほかフロントにはIEEE1394端子とマイク/ヘッドフォン端子があるが、IEEE1394は未接続(マザーボードに機能がない)。
サウンド類のコネクタはマザーボード側サウンド機能に取り付けられていたので、今回の構成では事実上利用できない。ファンは、ケースフロント(60ミリ)とCPUクーラー(AMD純正)と電源(MicroATX/300ワット)に用意されている。
セットアップはやはりいつもどおりだ。マウスのみ最近の製品では多くなったUSB接続だが、キーボードはPS/2とワイヤードなところに変化はない。
なお、このマシンにはスピーカーが付いておらず、オプションとなっている。テレビを見るのにスピーカーなしというのもちょっと変だが、ディスプレイもセットで提供されていないので、ほかで揃えてほしいということなのだろう。
騒音はまあまあというか、いまどきのマシンからすると低クロックなので、結果として低発熱、低騒音に貢献している。ベンチマーク結果も一連の結果でもっとも低い値なのはいたしかたない。
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