NECの「VALUESTAR L VL70E/8D」(以下、VL70E/8D)は、17インチワイド液晶ディスプレイが付属した省スペースタイプのブック型TV PCだ。「VALUESTAR L VL700/7D」の後継機種だが、搭載CPUはPentium 4からAthlon XPへと変更されている。
Athlon XPはAMDのx86互換プロセッサで、二番手ブランドゆえのコストパフォーマンスの高さがウリだ。VL70E/8Dの実勢価格も、従来機種のVL700/7Dより割安で推移している。VALUESTAR Lシリーズの2004年春モデルでは、本機のほかに「VALUESTAR L VL47E/8D」と「同VL20E/8D」がAthlon XPを採用している。
VL70E/8Dが搭載しているのはAthlon XP 2600+で、L2キャッシュを512Kバイトに倍増したBartonコアを採用している。ご存知のように、2600+という数字はモデルナンバーと呼ばれる性能指標値で、動作クロックではない(実際の動作クロックは、バスクロック333MHz×5.75倍の約1920MHz)。モデルナンバーが示す性能は、おおむね同一数値(クロック)のCeleronよりは速く、ハイパースレッディング・テクノロジ対応のPentium 4よりも遅めと思えばよいだろう。
チップセットはNVIDIAの「nForce2 IGP」(ノースブリッジ)と「nForce2 MCP」(サウスブリッジ)で、グラフィック機能はチップセット内蔵である。メモリはPC2700対応DDR SDRAMを256Mバイト搭載する。メモリスロットは2基で1基は空いているが、最大容量の1Gバイトに拡張する場合は、既存の256MバイトDIMMを外して512MバイトDIMM×2に交換する必要がある。
付属の液晶ディスプレイは、17インチワイド液晶の「F17W81(R)」だ。画像や映像を高輝度、高コントラストで楽しめるように、液晶パネルの表面は光沢仕上げになっている。解像度はWXGA(1280×768ピクセル)で、ゴーストリデューサーや3次元Y/C分離などの高画質機能を装備したTVチューナーと、液晶パネルの最前面にある保護パネルを振動させて音を発生させる新サウンドシステム「SoundVu」を搭載している。
保護パネルを振動させるエキサイターは、パネルの左右に計4ユニット(左右2チャンネル×2)を配置。さらに、ディスプレイスタンドの側面にサブウーファーを搭載し、パワフルな低音域から伸びのある中・高音域までをカバーした臨場感あるサウンド再生を実現した。TV番組やDVDがよりきれいに見えるように輝度を上げる「VISUALボタン」も装備している。
なおF17W81(R)は、PC接続用のDVI-Dに加えて、コンポジット、S-Video、D4の各ビデオ入力端子とビデオ音声入力端子(右/左)を備えている。このため、ハイビジョンTVチューナーやDVDプレーヤー、ビデオデッキなどを直接接続することも可能だ。
ハードディスクには、7200rpmの160GバイトUltra ATA-100ドライブを搭載する。録画可能なTV番組は、長時間録画モードで約134時間、高画質モードで約36時間となっている。
光学ドライブは、すべての記録型DVDメディアに対応した日立エルジーデータストレージのDVDスーパーマルチドライブ「GSA-4040B」だ。データの最大書き込み/書き換え速度は、DVD-RAMが3倍速、DVD-Rが4倍速、DVD-RWが2倍速、DVD+Rが4倍速、DVD+RWが2.4倍速である。
さらに、最近の製品には珍しく、FDDも標準装備している。
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