「定番」デジカメとしての魅力を増したIXY DIGITAL――IXY DIGITAL 50(2/3 ページ)

» 2004年10月27日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

シーンモードを搭載するなど撮影機能も強化

 今までのIXY DIGITALはMENUで基本設定を、FUNCで撮影用の細かい設定をとメニューを分けていたが、いわゆるシーンモードは持たなかった。

 だがIXY DIGITAL 50ではFUNCメニューの中にシーンモードが追加された。フルオート、マニュアル撮影に加えて、デジタルマクロ、ポートレート、ナイトスナップ(いわゆる人物+夜景)、キッズ&ペット、パーティ・室内、水中というバリエーションを備えている。従来この位置にあったパノラマ撮影用の「スティッチアシスト」がなくなったが、MENUの方へ移動しただけで機能は残っている。

メニューのデザインも2004年秋モデルで統一されて少し見やすくなった
FUNCボタンを押すとこのメニューが出て、撮影時の設定と同時にシーンモードのセットも行う。普段はほとんどこれでまかなえるだろう。ホワイトバランスやISO感度、画質の設定などもここで行う

 デジタルマクロについては解説が必要だろう。通常のマクロはワイド端で3センチ、テレ端で30センチまで寄れる。これだとワイド端でしか寄れないわけだ。デジタルマクロにするとズーム位置がワイド端に固定されるが、同時に3.5xまでのデジタルズームがオンになる。最短撮影距離は変わらないが、必要ならさらにデジタルズームを使った拡大ができますよというモードなのだ。デジタルズームは画質が劣化するので認めない、という人には関係ないモードかもしれない。

 キッズ&ペットは動き回る被写体を撮るためのモードで、オートでは9点測距のAFが中央固定になり、シャッタースピードを高速に保つため、通常はオートでもあまり上がらないISO感度が必要に応じて200以上まで上がる。

 それ以外の基本機能は従来のIXY DIGITALと同じで、基本はフルオートでありながら、意外に細かい設定ができるという良さを受け継いでいる。

 FUNCメニューを順に追うと、露出補正は±2段。ホワイトバランスはオートの他に5つのプリセットがあり、さらにマニュアル設定ができる。このクラスでマニュアル設定ができるのはなかなか便利。ISO感度はオートの他に50から400まで用意されている。

 キヤノンならではの色効果モードも健在。ビビッドモードにすると他社では見られない鮮やかで記憶色重視の色合いを見せてくれる。

 という具合だ。

 さらにAFは9点測距のAiAFで測距ポイントのどこにピントを合わせたかを緑の枠で示してくれるのでよい。

 それ以外のポイントとしては、FUNC/SETボタンを長押しすると時計モードになって画面に時計が表示される機能(2003年秋の「IXY DIGITAL L」で採用された)や、ダイレクトプリントボタンも用意されている。

 さて肝心の画質だが、キヤノンらしい彩度が高い割にノイズが少なくて鮮やかなのは相変わらず。コンパクトなフルオート系デジカメで重要なフルオート時のヒット率も高く、露出やオートホワイトバランスも多くのケースで補正することなく最適な結果を見せてくれる。フルオート時の画質の安定度ではピカイチといっていいのではないだろうか。

 ただワイド側での収差がちょっとあることや増感時のノイズの多さは気になる。特にISO 400時はホワイトなノイズが細かく乗るのだ。ISO 50時の画質がいいだけに、できるだけ増感しないで使いたいデジカメである。まあISO感度はオートにしておけばあまり増感しないので問題ないだろう。

再生時はヒストグラム表示も可能だ。再生も高速になったが、縦位置画像を回転させるときにややもたつくのは残念

総合力ではやはり「定番」にふさわしいでき

 もうひとつ特筆すべきは動画。Motion JPEGのAVIファイルだが、今回から新たに「スムーズ動画」として320×240ピクセルで60fpsという秒あたりのコマ数を倍に増やしたモードを追加した。デジカメならではの動画機能という感じで楽しめそうだ。

動画にも3つのモードができた。640×480の秒30コマが可能な通常動画の他、秒60コマのスムーズ動画と、160×120のメール用動画である

 バッテリーは専用のリチウムイオン充電池で、本体から出して充電器にセットするタイプ。容量は3.7ボルトで760mAhだ。個人的にはこのクラスはクレードルかACアダプタを直結して本体内充電できる方が親切だと思うが、伝統的にキヤノンは充電器式だ。持ちはCIPA規格で約140枚と多いとはいえないのが残念である。

 記録メディアはSDカード。これらは底面のカバーを開けて出し入れする。

底面には薄型のバッテリーとSDカードスロットがある。バッテリーは充電器にセットするタイプ

 以上である。

 全体としては小さくて薄くて起動も操作も高速で、とやはり定番の名にふさわしいまとまったでき。使い勝手も上がっているし、付属ソフト(Windows版は「Zoom Browser」、Mac版は「Image Browser」)もバージョンアップして使いやすくなった。

 返す返すも液晶モニタがやや見えづらいのと増感時のノイズが残念だが、それを除けば完成度は高い。薄さも液晶モニタサイズも起動時間も個々のスペックはトップではないが、平均点が非常に高く、これを勧めない理由はとくに見あたらないという感じだ。何を買うか困ってるデジカメ初心者がいたらまずこれを勧めれば問題ないか、というくらいである。そういう意味でもIXY DIGITALらしいデジカメだ。

IXY DIGITAL 50、作例

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月13日 更新
  1. 6500円でデスクに新風! Thermalrightの小型液晶がヒット、背景にメモリ高騰? (2026年02月09日)
  2. ワコムが安い? 驚きの2025年を振り返り メモリ高騰におびえる2026年の「自作PC冬眠」と「次世代CPU」への期待 (2026年02月12日)
  3. キンタロー。も驚くほぼ「入力ゼロ」の“次世代”確定申告 2026年の弥生は3つのAI活用とデスクトップ製品強化を両輪に (2026年02月12日)
  4. 元Appleのジョナサン・アイブが手掛けるフェラーリ初EVの内装デザイン公開 物理ボタンとデジタルの融合 (2026年02月10日)
  5. 新ARグラス「XREAL 1S」を試す 解像度と輝度が向上、BOSEサウンドで没入感アップ “3D変換”も大きな魅力 (2026年02月10日)
  6. マウス社長が3日間“フル参戦”した理由とは? 大阪・梅田のど真ん中で起きた“eスポーツ×地域振興”の化学反応 (2026年02月11日)
  7. アイ・オー、拡張ドック機能を備えたType-C接続対応の27型4K液晶ディスプレイ (2026年02月12日)
  8. ASRock、“CPU起動トラブルを解決”するSocket AM5マザー用のβ版BIOSを公開 (2026年02月10日)
  9. 「雲」から降りてきたAIは「パーソナル」な存在になれるのか――開催から1カ月経過した「CES 2026」を振り返る (2026年02月12日)
  10. 梅田の街がeスポーツに染まった3日間――「Osaka GeN Scramble」で見えた、地域とデバイスが融合する最新イベントの形 (2026年02月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年