かつてはシンプルさが長所だった日本HPのプリンタドライバだが、年を追うごとに複雑化してきた。最初に開く「印刷機能のショートカット」タブだけで、最低限必要な設定を行える点はよい。フチなし印刷では、用紙からはみ出る画像の周辺部を調整することはできず、はみ出し量も大きめな点に注意したい。
「印刷機能のショートカット」タブ。はじめに「実行する機能」で印刷の目的を選ぶと、用紙の種類やサイズなどの選択肢が目的に応じたものに変わる
「用紙/品質」タブ。フチなし印刷は、用紙サイズから「フチ無し○○○」を選ぶことで設定される。ワールドワイドな仕様なので、用紙サイズの選択肢が非常に多い(欧米で使われるインチ系の用紙が多数ある)。目的の用紙サイズを選びにくい一面もあるため、表示する用紙サイズを取捨選択する機能があってもいい
印刷画像の自動補正機能「HP Degital Photography」。一部の補正は強度を調整できるが、最弱にしても強めの効果だ。基本的にはすべてオフで使い、フォトレタッチソフトで印刷画像を補正したほうがよい
「レイアウト」タブでは、両面印刷や割付印刷、ポスター印刷などを設定する
「カラー」タブにはカラーマネジメントの設定がある。デフォルトは「ColorSmart/sRGB」だ。AdobeRGB画像を印刷するときはAdobeRGB、アプリケーション側でICCプロファイルを適用して印刷するときは「アプリケーションによる管理」を選択する
TWAINドライバの使い勝手はいまひとつ。特に国内メーカーのスキャナを使っていると、用語や動作の違いにとまどう。アプリケーションからTWAINドライバを呼び出した場合、通常は複数の原稿を連続してスキャンしていけるのだが、1枚の原稿を読み取るとTWAINドライバが閉じてしまうのは使いにくい。付属ツールの「HPディレクタ」からスキャナ機能を呼び出せば、連続スキャンしてファイルを自動保存したうえで、任意のアプリケーションに一括転送することが可能だ。
画面の用語は、日本の実情に合わせてローカライズしてほしいところ。「新しいスキャン」がプレビュー、「適用」が本スキャン、「不要なパターンの除去」がモアレ除去だ。「シャープにする」の選択肢が高画質や低画質というのも違和感がある
2710のスキャン機能や付属ツールを呼び出すランチャーだ。「ドキュメントスキャン」では、マルチページPDFも作成できる。ここからTWAINドライバを起動すれば複数原稿の連続スキャンができるので、転送先のアプリケーションや保存先を設定しておき、有効に使いたい。
「ソフトウェアの更新」からは、ドライバや付属ツールのアップデートが行える。週間隔や月間隔の自動チェックに設定することも可能
画像管理&活用ツール。デジカメやメモリカード、スキャナ機能から画像を取り込んで管理し、日付やキーワードによる検索機能もある。レタッチ機能は操作性もよく、機能も豊富だ。活用プロジェクトでは、選択した画像を素材として、カレンダーやパノラマ画像、アルバムなどを作成できる。使い始めは画面構成が見づらく感じるが、慣れてしまえば気にならない。
画像管理はツリーとサムネイルの一般的なスタイル。サムネイルの大きさはスライダで柔軟に変更できる。選択した画像は画面下部に登録され、そこから印刷や活用プロジェクトなどに転送される
編集(レタッチ)機能では、オリジナル画像とレタッチ後の画像を見比べながら操作できる。補正項目も一通りそろっており、スライダで調整するだけなので簡単だ。デジカメ画像のExifデータも表示できる
選択した画像から、さまざまなグッズを作成する「クリエイティブプロジェクト」。テンプレートが少ないのは残念だが、ほとんどのグッズは画面の選択肢(用紙サイズやテンプレート)をクリックしていくだけで完成する
選択した画像を手軽に印刷する「クイック印刷」。デフォルトで純正フォト用紙とフチなしL判が選択されている。プリンタドライバを開いて、細かい設定をすることも可能
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