ブロードバンドルータとしての機能は、コンシュマー向けとしてはそつのないもの。設定も一般的なブラウザより行うタイプで、WAN側(インターネット側)の接続はDHCP、固定IPアドレス、PPPoEなどに対応する。LAN側はDHCPサーバー機能はもちろん、MACアドレス指定で特定のPCやLANデバイスに固定のIPアドレスを割り振ること機能などを備える。
マルチセッション接続に関しては2種類、例えば個々のプロバイダとフレッツスクエアの同時接続なども可能である。
ただし、接続先の識別以外ではセッションの区別がないため、完全に2種類の独立したインターネット接続として利用することはできない点には注意したい。例えばプロバイダ「A」とプロバイダ「B」に同時接続している場合、「A」を経由するhttpリクエストと「B」を経由するhttpリクエストを、LAN内別々のPC(Webサーバーなど)に振り分けるといったことはできない。
なお、Dynamic DNSの自動登録機能も備えるが、対応するDDNSサービスは「DynDNS」のみ。DynDNSは海外サイトのため、登録も英語で行う必要もあり、少々敷居が高い面もある。現在は国内でも多くのDynamic DNSサービスが存在するので、今後の機能追加を望みたいところだ。
BRL-04GのWAN-LAN間スループット値はカタログ公称値で65Mbpsと、いまどきのFTTH対応を唄うブロードバンドルータとしてはかなり控えめだ。ブロードバンドルータ機器はそれほど頻繁に買い換える必要に迫られる製品でもなく、実スループット値のスペックを第一に考えるユーザーも多いだろう。
実際に、筆者宅のTEPCOひかり回線にPPPoEで接続してみたところ、時間帯に関わらず送受信共に最大で45Mbps程度、平均して40Mbps台前半のスループット値となった。一方、ほぼ同一時刻に筆者が普段利用しているブロードバンドルータに切り換えるてみると受信80Mbps、送信70Mbps程度という値が確認できた。
単純な比較だが、差は歴然だ。どうもPPPoE接続では送受信共に45Mbps程度が限界のようで、理論上最大100MbpsのFTTH回線で利用するには物足りない値といえる。
もちろん現実的な目で見れば、常時50Mbpsを超えるような実通信速度が得られる戸建タイプのTEPCOひかり、USEN BROAD-GATE01など一部のFTTHサービス以外で考えると、全国的にはFTTHでも実通信速度は20〜40Mbps程度となっている現状がある。とにかく回線速度をフルに発揮できないと気がすまない人でない限り、スループット値が大きな不満に繋がることは少ないとも言える、というフォローは一応しておく。
また今回、1週間ほど筆者宅の自宅サーバ環境に導入してみた。LANポートの4ポート中3ポートにギガビットLAN環境のPCが接続され、LAN経由でのファイルアクセス、動画ファイル中心のGバイト単位でのファイルコピー、さらにWebサーバとFTPサーバが稼働している環境であったが、ハングアップはもちろん怪しい挙動もなかった。
もちろん個人ベースの、しかも1週間程度の利用で「動作が安定している」とまでは言えないのだが、これまで個人的に利用してきた製品の中には、Webサーバーやftpサーバーを稼働させていると1日1回は確実にハングアップするような機器も存在した。不安定要因も多いと思われる出荷直後のファームウェアという点まで考慮すれば、動作の安定度は十分と言ってもよいのではないだろうか。
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