“あの騒動”乗り越え――今度は指摘もしてくれる「一太郎/ATOK/花子 2005」を試す(1/3 ページ)

» 2005年02月28日 15時00分 公開
[小野崎奨,ITmedia]

 発売日直前の2月1日に判明した一連の「一太郎騒動」。この騒動は多方面にかなりの影響をもたらしたかなりショッキングなものであったが、ジャストシステム「一太郎」「花子」および「ATOK」を中心とする2005バージョンは、発売日当日の2月10日に発売された。

 今回は、早速この新一太郎&ATOKの新たな機能や特徴機能を中心に、その使い勝手を試してみることにする。

photo 一太郎2005&花子2005 スペシャルパック 三四郎2005特別搭載版

 この一太郎2005は、前バージョン(レビュー参照)で掲げられていた「考えるための道具」というコンセプトをさらに進化させ、さらに「考えるプロセス」を支援する機能が強化されたことが大きな特徴となっている。これは、単なる「ワープロソフト」ではなく、本来の意味の「ワードプロセッサ」を強く意識させ、使用者の思考プロセスに沿ったさまざまな提案が盛り込まれている。

 「考えを広げ、構成を練り、伝わる文書を作成する」――これが今回のバージョンのコンセプトだ。文書全体を俯瞰(ふかん)しながら作成できる機能を強化したことで、文書作成途中で陥りがちな文書展開時の盲点や誤った言葉づかいなど、正しい日本語を使った完成度の高い文書作成プロセスを巧みに支援する。

 単なる文書作成ツールとしてではなく、自分の考えを相手に的確に伝えるための文書展開方法や手順、表現方法など、細部にまで気配りがなされることは、効率的かつ効果的な文書作成をする必要があるオフィスユーザーにはとくに強い味方になるだろう。

アイデア創出から文書完成までを支援する「一太郎2005」

 一太郎2005は、今回の2005バージョンにおけるコンセプト通り、論理立った文書をまとめるためにアイデアの創出支援から、重要度の設定、まとめ上げる作業、最終的な出力までを効率よく的確にサポートする。

 一般的な文書作成手順を例に取ると、

  • 全体的な構成を考えながら項目を箇条書きする
  • それぞれの項目ごとに内容を肉付けしてレイアウトする
  • 仕上げを行う

 という過程を踏むことになる。この手順を沿うには「アウトライン機能」を用いて行うが、今回新たに追加された「プレビュー機能」でチェックしながら作業するとさらに便利だ。

 具体的には、画面左側に配置されたシンキングバーで「アウトライン」画面にし、文書で表記する項目をまず箇条書きにする。文書展開の道筋が決まったら「段落スタイルの設定」で箇条書きの各項目を設定を行い、それぞれの項目に内容を肉付けしていく。すると全体の文書ができあがり、レイアウトが確定される、といった感じとなる。

 この一連の作業は、画面右下に表示される「プレビュー画面」によってページ単位で確認できるため、ページ構成を含めた全体像を把握しながら文書作成を進めることができるのである。

photo 全体的な文書の流れを見極めるため、まず、トピックや具体的内容を箇条書きでまとめていく
photo 項目ごとの内容を入力していくと全体のレイアウトができあがる。「プレビュー画面」は画面右下だ。ページ単位のレイアウトはプレビュー画面を確認しながら作業を進めると効率的

 なお、社内用報告書や計画書、企画書など頻繁に利用される文書を作成するためのテンプレートは「シンキングテンプレート」として、利用者の目的別に21種類も用意されている。

 単なる文書見本としてのテンプレートではなく、クリックすればそのまま本文に反映される「記入文例」のほか、文書作成上のポイントやヒントも表記されるため、このアドバイスにしたがっていくだけで、的確な文書作成も容易となっている。もちろんテンプレートにはユーザーが独自に作成した「ユーザーテンプレート」も登録できるので、社内部署や業務内容により文書スタイルを統一するといった用途にも便利そうだ。

photo あらかじめ21種類用意されるテンプレート集は、ユーザーの階層や利用目的によって区分されている
photo 本文上に「POINT」とひな形の文書、シンキングプレートには執筆のためのヒントと記入文例が配置される

 文書作成時には紙資料やWebサイトだけでなく、HDDに保存しているいくつかの文書なども参照しながら行うことが多い。この作業を行う際に便利なのが、関連文書リストアップ機能だ。作成中の文書の履歴情報やファイル名をもとに検索し、関連する文書をリストアップする。

 文書作成の元になったファイルや、過去に同時に開いて参照したファイル、似た名前のファイルなどを自動的にリストアップし、参照/引用できるほか、テンプレート参照も容易となり、文書作成作業をさらに効率的にできる。

文脈判別処理機能や誤り指摘機能を搭載する、さらにかしこくなった「ATOK」

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