最新「Endeavor」でPentium 4 660のパワーを知る──エプソンダイレクト Endeavor Pro3100(2/2 ページ)

» 2005年03月22日 13時07分 公開
[池紀彦,ITmedia]
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デスクトップで使うSpeedStepとは

 600番台の最新Pentium 4では新たにEIST機能が利用可能、とは先に述べたとおり。自動設定にした場合、アイドル時などCPU負荷の低い状態には、最低2.8GHzまでが低下、CPU使用状況に応じて動作周波数、及び動作電圧が3段階Pentium 4 660/650の場合)程度に変化するという。では、デスクトップではどのようにして同機能を使用するのだろうか

Endevor Pro3100のマザー「P5AD2-E DELUXE」はEIST機能に対応しているので、まずはBIOS上で同機能が有効になっているか確認する。BIOSセットアップの[Configure advanced CPU settings]メニューの一番下にある[Intel SpeedStem tech.]が[Automatic]になっていれば利用可能な状態だ。

 本来、ここでは[Automatic]以外に[Maximum][Minimum][Disabled]の4つの選択が可能なはずだが、今回試したBIOSでは、[Automatic]と[Disabled]しか選べない。ただしOS上での設定(後述)を見る限り、この2つが設定ができればとくに問題ない。

 EISTに対応するOSはWindows XP SP2のみ。Windows XPでもSP1以前やWindows 2000に対応していない点には注意が必要だ。

 BIOSをチェックしたら、つぎに電源オプションのプロパティをチェックしておく。ここの電源設定として、デフォルトの「自宅または会社のデスク」、または「常にオン」を選択すると、常に最大パフォーマンスで動作することになりEIST機能の意味がない。ここで「最小の電源管理」を選べば常に最低速度の2.8GHzでCPUが動作。そして「バッテリの最大利用」などを選択することで、動的にCPUの動作周波数が変化するようになる。

 EISTを有効にした状態で実際の挙動を見てみたが、ちょっとCPU利用率が上がるとすぐにCPUの動作周波数は上昇して最高クロック3.6GHzに到達してしまう。変化の幅が少ないため、有意義にEISTを使うのは、かなりのテクニックと条件が必要に思われた。

BIOS上でEIST機能が利用可能になっているかを確認する。ここで設定しておかなければ正常に動作しないが、BIOSを開いた段階ではデフォルトでONになっていたが、試用機のため製品では設定が異なる場合もある

「常にオン」(または「自宅または会社のデスク」)と「最小の電源管理」ではCPUの動作周波数は固定するが、それ以外の項目で一応それぞれ試してみたものの、さほどの違いは感じられなかった

システムのプロパティ情報で確認してみても最大動作周波数、最小動作周波数と設定に応じて、値が変化するのがわかる

EISTによる騒音レベルの低下はなし。CPU温度はわずかながら効果アリ

 さて、「発熱が尋常でないからPrescottに移行できない」というユーザーも多いなか、コンシューマーPCが動作する時間の多くがアイドル状態であることは、その状態では最低クロックの2.8GHzで動作することを意味する。ならば、EISTを組み込んだPentium 4 600番台は静音化や発熱量を抑えるかもしれない。

 今回の評価作業で、手持ちの接触温度計を利用してCPUクーラーユニットの熱を測定してみた。恒温槽を用いた厳密な測定でないのであくまでも参考程度であるが、EIST有効無効のそれぞれで、ベンチマークを走らせた最高負荷状態とアイドル状態で測定してみたが、劇的な違いはないものの、EIST無効時ではアイドル状態でもCPUクーラーの温度がわずかに上がり続けるのに対して、EIST有効時ではアイドル時に長時間測定しても温度の上昇が見られない。

OS起動後1〜2分OS起動後アイドル5分CPU最高負荷
EIST無効28.42929
EIST有効282828.4

騒音に関してはとくに電源ファンの影響が大きく、Endeavor Pro3100ではEISTの効果はあまり感じられない。温度に関してはわずかながらも効果が確認できた。アイドル状態でもEISTを無効にしていると温度がじわりじわりと上がってくるのに対して、EISTを有効にするとあまり上がらない。

 一般的に、PCが稼動している時間の内訳を見てみると、Webページを読む、何を書く、考える、などなど人間だけに負荷がかかっている時間は意外と長かったりする。そんな時にはCPUが余計な熱を発せずおとなしくしておいて欲しい。そういうユーザーの気持ちをEISTは満足させてくれるだろう。

 なお、CPUファンの回転数制御についてだが、温度で動いているわけではなくCPUの利用率で変動している。今回の評価作業でもCPU利用率が50%を超えたあたりから回転数が上がっていくのが確認できた。

 EIST機能はデスクトップで搭載され始めたばかりの新機能。その最新CPUを搭載したEndeavor Pro3100は、信頼性のあるメーカー製PCを購入したいが、スペックにはこだわりたいユーザー、またはこれから自作を始めたいが、いきなり全部組むのに不安を感じてるユーザーに最適な1台と言えるだろう。

PCMark04
PCMark5066
CPU5178
MEMORY5501
Graphic3812
HDD3843

Business Disk WinMark99 6230
High-End Disk WinMark 9920167

3DMark031024×768ドット、nonAA、nonAniso1024×768ドット、4xAA、8xAniso
TOTAL7644.7 4032.7
GT1233.7 135.5
GT256.7 24.6
GT347.1 21.4
GT441.9 29.2

3DMark051024×768ドット、nonAA、nonAniso1024×768ドット、4xAA、8xAniso
TOTAL3329.0 2365.7
GT114.8 10.5
GT29.6 6.9
GT316.6 11.7
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