ソニーが考えるホームPCはFeliCaとPCの連携を重視する──ソニー「VAIO type H VGC-H70WB7」(1/2 ページ)

» 2005年04月21日 19時51分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

1年を経てリニューアルしたスリムマシン

 今回登場したVAIO type H(以下 type H)は従来のVAIO type HX/HSの後継となる省スペースPCの新製品だ。ソニー曰く「違和感のない心地よいスタイル」とリビングに溶け込んだPCを目指しているが、いわゆる「銀パソ」の先駆けとなったソニーが、そのシルバーに代表されるメカメカしいデザインから脱却したい、というだけあって、銀のVAIOロゴをポイントに置いたホワイトボディは確かにリビングでも似合いそうな雰囲気を醸し出している。

VAIO type Hの最上位モデル「VGC-H70WB7」

側面には白地に銀のVAIOロゴ。デザイン的事情から、PrescottコアPentium 4には必ず設けられてきた「側面の吸気用穴」は廃止された

 今回は、最上位モデルとなる「VGC-H70WB7」で評価を行っているが、type HのラインアップはCPUにPentium 4 550Jを搭載した「VGC-H70」、もしくはCeleron D 345Jを搭載した「VGC-H50」「VGC-H30」の3シリーズに分けられる。VGC-H70とVGC-H50は17インチ液晶ディスプレイ「VGP-D17SM1」(最大解像度1280×1024ドット)がセットになり、メモリ容量512Mバイト。VGC-H30は15インチ液晶ディスプレイ「VGP-D15XM1」がセットになり、メモリ容量が256Mバイトという構成。

 すべてのモデルでキャプチャーカードを搭載しているが、VGC-H70とVGC-H50にはキャプチャーカードを2つ搭載したモデルが用意されている。なお、キャプチャーカードを2つ搭載したモデルはHDD容量が300Gバイト、そのほかはHDD容量が250Gバイトとなっている。

BTX風「ストレートエアフローレイアウト」

 デザインを重視したtype Hでは、筐体の側面に設けられていた吸気用のスリットを廃止して、筐体の前面から吸気して筐体上面から排気する通風方式を採用している。このため、主要パーツやチップのレイアウトにBTXフォームファクタと同様の直線的な配列を採用している。

 通常のPCでは、CPUの上にヒートシンクを実装し、さらにその上に載せたファンで強制的に空気の流れを作っているが、type Hは筐体の前面下についている穴から外気を取り込み、これを筐体正面に設けられたファンでヒートシンクにそのまま当てている。

 ヒートシンクからCPUの熱を奪った通気は、その後リアパネル部と電源ユニットから排出されるため、筐体内の通気性は良好である。今回の評価作業は春先であったが、室温摂氏21度で行ったベンチマーク中でもファンの音を過度にうるさく感じることはなかった。このあたりの静音性能の高さはリビングで使用する場合、重要なポイントになってくるだろう。

正面真ん中には吸気用の穴が設けられている。左のカバーには光学ドライブが内蔵され、右のカバーには各種インタフェースが隠されている。また、下部のカバーにはSビデオ、コンポジット、サウンドの入力端子も用意されている

 チップセットに統合型のIntel 915Gを採用しているので、省スペース型PCとしては3D性能も実用的なレベルにある。これまでの統合型チップセットでは動作すらできなかったFINALFANTASY XI for Windows公式ベンチマーク(Vana'diel Behch3)も高解像度で2000を超え、それなりに快適に動きそうだ。

 メインメモリがDDR2-533のデュアルチャネルだけあって、メモリのアクセスが速いうえ、標準状態で512Mバイト搭載しているのもありがたい(ただし、メモリスロットは2つしかないので、メモリを増やすためにはそれまで使っていたモジュールが不要になってしまうことに注意)

 液晶ディスプレイの下部にあしらわれた「光るロゴ」がまぶしくて迷惑かも、と思っていたが、これは輝度調整ができるようになっている。また、全長900ミリのつづら折り回廊でできた共鳴間方式サブウーファー「ダイナミクスウーファ」で重低音の増強を図っている。

なんと筐体下部にメモリスロットへアクセスできるカバーが設けられていた

キーボードはパームレストがそのままカバーになるVAIOではおなじみのもの。カバーを閉じた状態でも、テレビ関連の操作は可能になっている

他社とは違う2番組同時録画は「テレビ+ビデオデッキ」感覚

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