さて、続いては前回予告したように、WV761とWV830、というより同クロックのモバイルSempronとTurion 64以外は同スペックノートPCのベンチマーク結果を比較していく。
WV830 | WV761 | |
PCMark04-PCMark | 2580 | 2342 |
PCMark04-CPU | 2991.0 | 2966.0 |
PCMark04-Memory | 2592.0 | 2653.0 |
PCMark04-Graphics | 495.0 | 458.0 |
PCMark04-HDD | 2880.0 | 2773.0 |
PCMark04-WMV Video Compression | 37.7 | 37.1 |
PCMark04-DivX Video Compression | 43.5 | 42.1 |
Business Disk WinMark 99 | 4930 | 5910 |
High-End Disk WinMark 99 | 16600 | 19000 |
BBench Ver1.01 | 2時間23.5分 | 2時間12.5分 |
まず、PCMark04のスコアだが、CPU性能の高さや搭載するHDDの回転数がそのままスコアに出ている印象だ。メモリテストこそWV761が上回っているが、これは誤差の範囲と言える。
続いて、WinBench99ベンチマークを実行してみた。「High-End Disk WinMark 99」ではほとんどのテストでWV830がWV761を上回り、一部のテストでは一進一退のスコア。だが「Business Disk WinMark 99」では明確にWV761がWV830を上回る結果を叩き出した。HDDの回転数はWV830が高速なのに、WV761の結果が上回る原因はなんであるのか。
それぞれ搭載するHDDを調べてみると、WV830はWestern Digital「WD800UE」なのに対して、WV761はSeagate「Momentus 4200.2」シリーズの「ST960821A」を搭載していた。
WD800UEは5400rpmだがキャッシュは2Mバイト。ところが、ST960821Aは4200rpmでキャッシュが8Mバイトとなっている。この違いがテストのスコアに影響したのではないかと推測される。
また、バッテリー持続時間も比較してみた。測定は前回同様、フリーのバッテリ測定ベンチマークテストツール「BBench Ver1.01を用いた。
WV830はバッテリー駆動時にCPUクロックが800MHzに設定される。その状態で液晶の輝度を最大にして計測した結果、バッテリー駆動時間は2時間23.5分となった。動作クロックがWV761より高速ながら、WV830がわずかではあるが長時間駆動しており、Turion 64のモバイル性能の高さを垣間見ることができた。
WV830は、プレインストールソフトなどがほとんど入っていない素うどんに近い状態の製品だ。前回紹介したWV761はどちらかと言うと豊富なプレインストールソフトを搭載しており、初心者が初めて買っても安心できたのと比べると、WV830を初心者がいきなり購入するのはちょっと厳しい。その代わり、現在所有しているPCの置き換え目的には最適と言える。
個人的には、今回搭載していたTurion 64 MT-28を搭載したコンパクトノートを期待したい。今回のテストでTurion 64のモバイル性能の高さを垣間見たので、この性能をもっと持ち運び重視のコンパクトノートに搭載して試してみたいと思ったからだ。CPUが持つ「モバイルポテンシャル」は非常に高いと思えるので、今回のWV830をきっかけに、同社のコンパクトノートラインアップにもTurion 64搭載モデルを加えてほしい。
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