倉庫の奥でベンチをまわす──きょうは「アクリルまな板」で幸せをつかんだPCケース?(1/4 ページ)

» 2005年11月14日 16時13分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 そんなわけで、今年の春に赤坂から丸の内に引っ越してきたITmediaである。「赤坂」に「丸の内」と地名だけを並べれば、東北の地方都市に帰省したときに、じいさまとばあさまを「職を転々としていたお前が、まぁー、立派なところで働くようになって(涙)」と喜ばせることもできる、なんとも便利な場所である。

 しかし、その実態は。赤坂のビルは近場の「すべての駅」から等しく離れた坂の上にある、陸の孤島の老朽ビルであったし、丸の内のこのビルも、著名な超巨大半導体メーカー東京本社が入居しているにもかかわらず、どうにもやっぱり古いようで、パーテーションや内張りでリフレッシュしてなんとか「バリバリ最先端のIT関連企業ですっ」という雰囲気を必死で演出していたりする。

 丸の内に事務所を構える「最先端のIT企業ですっ」というスマートな雰囲気を出すためには、オフィスのコーディネートが重要、ということで、引っ越しを機に古いデスクトップPCとCRTディスプレイのほとんどが退役し、社員は「かっこいい」ノートPCへの移行を迫られた。パーツ担当の「彼」が使っているベンチマーク用「バルクパーツ平積み」PCなんぞ、スマートな最先端IT企業のオフィスには「もってのほか」なんだそうだ。

 しかし、PCUPdateとしてはベンチマークを回さないわけにもいかない。「そうかそうか、ならばベンチ用にテストルームを準備してあげよう」とありがたくも会社が用意してくれたのが……

ちょ、ちょっと〜

 倉庫であった。倉庫の片隅に「秘密のベンチマークルーム」(これは、社内のイントラネットにもある“公式名称”である)が確保されたのだ。窓のない倉庫の端っこにパーツむき出しのバルクPCを積み上げ、一人こもってベンチを回す日々。異様である。

 その異様な部屋の悲壮感を強調してくれるのが「ヨレヨレの」段ボールPCケースだ。先日の記事でも紹介したように、某自作PC雑誌の付録だったものを「こりゃ、パーツの差し替えに便利だわい」と流用していたのだが、寄る年波には勝てず、老朽化が進んでいる。「毎日、この段ボールPCケースを眺めていると、なんとなく悲しい気持ちになってくる」とは彼の弁である。

なるほど、これはみじめだ
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