HDMI端子搭載/静音性も魅力の日立流リビング・ハイビジョンPC──「Prius Deck N」(2/5 ページ)

» 2005年11月15日 08時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

20インチディスプレイで快適PCユース、HDMI端子の活用で大画面AVユースを

 付属の専用液晶ディスプレイは1360×768ピクセル表示対応の20インチワイドパネルにて、コントラスト比は550:1、輝度は500カンデラ/平方メートルを実現する高輝度タイプのAV仕様パネルを採用している。同社製の視野角も広い「Super-IPS」方式のパネルを採用していると思われ、TVや動画、DVDなどの映像を色鮮やかに表示させることができる。

photo シックなブラックカラーをまとうPrius Deckシリーズ本体とカラー・質感がトータルでコーディネイトされる、付属の20インチワイドディスプレイ。1360×768ピクセル表示対応となっている

 ちなみに20インチワイドディスプレイは、いわゆる一般的な2フィートPC使用スタイルで使用する場合、画面を意識的に見上げなければならなかったり、大きすぎて目が疲れるといったデメリットを感じずに利用できるぎりぎりの画面サイズともいえる。近すぎることによって見えてしまう画素もこのサイズならまったく気にならいし、プライベートユースにて映像を贅沢に楽しむにはごく適切な画面サイズだと感じる。それ以上のサイズだと、上記のデメリットが生じることもある。

 もっとも各社の提案するリビング用途も想定したPC=リビングPCは、ハイエンドモデルにおいては32インチワイドといった画面サイズのディスプレイを用意するモデルも珍しくなくなっている。それにあって20インチの画面サイズは、たとえばリビングルーム設置でソファに座りながら離れて視聴する、といった用途においては十分ではない。

 このことは、Prius Deck Nシリーズのコンセプトのキモとなるところだ。PCとしての使い勝手を考慮すると、前述の通りディスプレイサイズそのものが大きければよいというものではない。実際、画面サイズが32インチにまで達すると、ディスプレイからは(実用可能かは別として)最低1メートルは離れないと画面全体を一目で見渡せないし、距離が近すぎると画素がはっきりと見えてしまう。必然的にPC操作のための範囲を広く取らなければならない必要性が生じる。また32インチクラス大型ディスプレイを備えるPCでは本体一体型のモデルもあるが、その距離を取らなければならないということはメディアの入れ替えなどで不便を感じることにもなるため、PCとしての使い勝手はどうよ、と思える部分が出てくる。

 Prius Deck Nシリーズには、HDMI端子を装備していることが大きな特徴となっている。HDMI接続にて大型の家庭用液晶/プラズマTVや家庭用プロジェクタなどを接続でき、さらにセキュアなコンテンツの再生も可能にする。PCは「Prius」シリーズで、AVは「Wooo」シリーズなどで、かつそれらは融合して活用できるようにした、という感じの総合AV機器メーカーである日立らしいスタンスといえるだろう。

photo 本体背面に搭載されるHDMI端子

 実際、30インチを超えるようなTVは、普段見には大きすぎるというシチュエーションのユーザーも多いとも思われる。普段は20インチクラスの液晶TVを、映画視聴などここ一番で大画面を楽しみたい時には割安感のある液晶プロジェクタの50インチや100インチでといった使い分けは、AVフリークの間でも現実的なシチュエーションの1つとしてよく活用される。「Prius Deck N」はこういったニーズに合わせた使い分けをするにはに実に都合がいいのである。

 今回はDVI端子装備の液晶プロジェクタ、松下電器「TH-AE500」とHDMI−DVI変換ケーブルを用いて(手元にHDMI対応の液晶プロジェクタがなかったため)利用してみたが、オーバースキャンも小さく、DVD-Videoなどもフルスクリーン表示にするだけで不満なく楽しむことができた。PC利用はとくに部屋のレイアウトなどに気を使わなくても付属のディスプレイで十分快適、じっくり映像を楽しむときは液晶プロジェクタで、という使い方は1つの最適解だなと実感できた。

photo 筆者の仕事部屋にて。左側の壁よりに「Prius Deck N」を設置し、スクリーンに向かって左斜め方向から液晶プロジェクタにて50インチスクリーンに投射している。手前にあるソファでのんびりと映画を楽しむ、という算段
photo 照明を落とすとこのような感じ。今なら15万程度でHD対応の液晶プロジェクター+スクリーンが入手できることを思うと、大画面はAV機器で、という発想は正しい気がする

付属ディスプレイでも、外部モニターでも快適なTV生活

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