ハイビジョン地デジに対応する“家電メーカーならでは”の分離型デスクトップ──「Prius Air AR75P」2006年春の地デジ対応モデル連続レビュー(3/4 ページ)

» 2006年03月07日 11時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

デジアナ同時試聴、録画もサポート。ハードウェアでのハイビジョン再生も

 TV機能を実現するソフトは、同社オリジナルの「PriusNavistation4」を用いる。ソフトウェアの基本機能は前モデル「Prius Air AR37N」(レビュー参照)のものと変わりがないが、地上デジタル/アナログ放送をシームレスに切り替えられ、視聴/録画操作が行えるなど、使いやすさには定評がある。

 同ソフト内では、キーワードやジャンル指定での自動録画機能や地上デジタル/アナログ放送の2画面同時表示も行える。録画予約や録画番組の管理は地上デジタルとアナログ放送でそれぞれ分離しているが、ユーザーインタフェースは統一されているので不便はほとんど感じない。むしろタイムシフト視聴は地上アナログ、高画質での保存に地上デジタルで録画といった使い分けが任意に行えるため、筆者はこの方が好ましいと感じた。

photo デジ+アナ2画面同時表示も可能なPriusNavistation4。それ以外にTV+録画済み番組の再生、TV+DVD-Video再生などと組み合わせた2画面表示も可能だ。この状態でも電子番組表の一覧性が十分確保されているのもポイントである

 なお、ハイビジョンコンテンツのフルスクリーン再生開始・終了時にはディスプレイ側の入力切り替え動作により若干のタイムラグが発生する。ただし、さほど気になるレベルではなく音声も途切れないため、さりとて違和感はない。理屈の上での画質はPCとディスプレイパネルがデジタル接続できる一体型のほうが上なのかもしれないが、実際それを感じるようなことはなかった。

 すでに触れた通り、地上デジタル放送をTS録画した番組もハイビジョンのフルスクリーン再生が可能で、これ以外にディスプレイの7〜80%程の領域における拡大表示、画面と放送中の番組一覧を右端に縦に表示する「サイドTV」といった表示も行える。

photo 拡大表示時の地上デジタル放送視聴・録画番組の再生は画面内の黒枠よりさらにひとまわり小さな画面サイズとなるが、これはARIBのガイドラインに沿った制限だろう(左)、「サイドTV」はこのような表示スタイルである。放送中の番組表も同時表示が可能で、PC操作を行いながらTVをながら視聴する場合に向く(右)

 Pruisシリーズの特徴の1つである時短再生機能、「いいとこ観」も健在である。従来通り、録画時間に対して割合(%)や再生時間を指定することでハイライト再生が行えるうえ、本機では地上デジタル放送を録画した番組でも利用できる。今回の2006年春モデルからは、番組ジャンル指定パターンに「囲碁」「将棋」「競馬」のモードも加わった。音声付きの「ちょい早」「ちょい遅」再生機能も地上デジタル放送を録画した番組にも対応している。

 リモコン操作用として、画面から離れた位置からの操作に便利な10フィートUIも用意する。多くの操作を方向ボタンと決定ボタンで行えるようになっており、こちらも家庭用DVD/HDDレコーダーとほぼ同じ感覚で利用できる。なお番組表は一列表示タイプになり若干表示情報量が減るが、一覧性を重視するならばキーボード+マウス操作を利用すればよい。リモコン操作はあくまでシンプルにと割り切ったり、シチュエーションに応じて変更できるのは、自由度の高いPCならではのメリットで、それを活かしたスタイルであるといえよう。

photo リモコン操作用の電子番組表と録画番組一覧はこのようなスタイルになる。縦一列表示で一覧性は低くなるが、操作はシンプルで分かりやすい

photo DVD-RAMへのムーブ時には4段階に画質指定が可能で、最大4時間をムーブ可能だ。画質設定に合わせて必要な容量やメディアの空き容量も表示される

 録画した地上デジタル放送はHDDへのハイビジョン録画のほかに、DVD-RAMへのムーブにも対応する。

 この場合はSD解像度(720×480ピクセル)へダウンコンバートする形態になるが、録画モードをXPやSPモードで保存すれば地上アナログ放送を録画するより明らかにシャープな画質で、かつ音質もクリアに保存できる。ハイビジョン収録された番組を、現状のPCの機能で可能な限り高画質にDVDメディアに残すという意味ではやはり重要な機能といえる。

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