フリースケールが「電子工作コンテスト」の最終選考会を開催

» 2006年07月05日 01時11分 公開
[後藤治,ITmedia]

 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン(以下、フリースケール)が主催する「電子工作キット制作コンテスト」の最終選考会が東京・秋葉原の広瀬ビルで行われた(関連記事:フリースケールの電子工作コンテスト最優秀作は三次元加速度メーターに)。

 同コンテストはフリースケールが「電子工作を通して“ものづくり”の楽しさを多くの人に体感してもらうことを目的」に4月28日より実施していたもので、58名の作品の中から今回14点が最終選考作品として一堂に会した。審査員は、フリースケール代表取締役社長 高橋恒雄氏、同技術本部本部長 友部昭夫氏、九十九電機代表取締役社長 鈴木淳一氏、筑波大学大学院 システム情報工学研究科教授 山海嘉之氏の4人。最優秀賞に加えて、学校教材を想定した部門賞3点と、審査員特別賞およびツクモロボット王国賞が選定された。

 14点の中から最優秀賞に輝いたのは、濱原和明氏の「どこでも加速度メータ」。3軸加速度センサにより進行方向/左右方向/上下方向の加速度を測定し、リアルタイムでLEDに表示するほか、オンボードのメモリに計測値を記録できる。電源はシガーライター、内蔵電池、ACアダプタの3方式で車載などの用途にも利用可能。産業分野などへの応用範囲の広さが評価された。

「どこでも加速度メータ」とデモを行う濱原氏

 教材用途を想定した部門賞では、小学生高学年・中学生向け教材部門賞として、川野亮輔氏の「HC08ミニマイコン扇風機」、高校生向け教材部門賞として、森戸篤也氏の「簡単!ライントレーサ・コンピュータ」、一般者向け教材部門賞では小寺匠氏の「表面実装リフロー装置」がそれぞれ選ばれた。

 HC08ミニマイコン扇風機は羽根の動きをマイコンで制御した卓上扇風機で、オン/オフだけでなく風量の「ゆらぎ」を実現しているのが特徴。また、スピード調節用のツマミも備える。電子部品は、プログラム書き込み済みのマイコンと専用プリント基板、モーターから構成され、それ以外は厚紙で製作できるため、夏休みの工作としても容易に作れるキットとなっている。

「HC08ミニマイコン扇風機」

 簡単!ライントレーサ・コンピュータは、線にそって進む駆動制御装置の開発キットで、AD変換機能、ビット出力、モータ駆動、外部センサの駆動と、初心者が段階的に学習を進めるのに適している。CodeWarriorのProcessor Export機能を利用することで最小限のコード入力で完成できるほか、USB接続によりしきい値の設定をリアルタイムに確認しながら行えるという。一方、表面実装リフロー装置では、オーブントースターを使ったデモが行われていた。こちらはプログラムを変更すれば水槽の温度管理装置や温度計単体キットとしても利用可能と実用性が高い。

「簡単!ライントレーサ・コンピュータ」(写真=左)と「表面実装リフロー装置」(写真=右)

 このほか、審査員特別賞として岩本正敏氏の「ひかりのデュエット」、ツクモロボット王国賞として伊藤剛浩氏の「ピッチベンド機能付き電子ピアノ」がそれぞれ受賞した。ひかりのデュエットは、正弦波で制御された2つのLEDを使い、各LEDの周波数をずらすことで光のうねりを作り出す装置。デモではLEDにカバーがかけられており、ゆっくりと明滅する様がユニークだった。部品点数が少なく電子工作の入門キットに最適だという。ピッチベンド機能付き電子ピアノは、鍵盤を模した8つのスイッチ(“ド”〜“ド”)を基板上に備え、1つのキーを押したまま可変抵抗を回すことで±50Hzの範囲で可変するピッチベンド機能を備えているのが最大の特徴だ。

「ひかりのデュエット」(写真=左)と「ピッチベンド機能付き電子ピアノ」(写真=右)

 そのほかの作品は以下の通り。タミヤ製の「2チャンネル リモコン・ボクシングファイター」を改造するキットや、加速度センサによる姿勢情報から腕立て伏せを行うロボットなど動きのあるユニークな作品も見られた。

LEDの点灯パターンにより記憶力を活性化する「瞬間記憶・順序記憶トレーナーキット」(中込知治氏/写真=左)。MC9S08QG8とK型熱電対、アンプを使った「お風呂温度ブザー」。現在の温度と設定温度を7セグLEDで表示できる(小寺匠氏/写真=中央)。中央に2色LEDを配した「電子サイコロ」(大西貴弘氏/写真=右)
数値積分により自然な減速感で8つのLEDが点滅していく「ルーレットKA2」と姿勢情報から腕立て動作を行う「腕立て君」はともに田中範明氏の作品。今後は歩行動作を取り入れたいという(写真=左/中央)。DEMO9S08QG8からの制御回路を備えた手製ステッピングモーター「ステッピングモータとモータドライバの作成」(鈴木浩之氏/写真=右)
ぬいぐるみの中に加速度センサーを実装したDMEO9S08QG8ボードを内蔵し、ぬいぐるみの動きにあわせて、シリアルケーブルで接続されたPC上でキャラクタが動く「ハイパーオリンピックもどき」(写真=竹丸広一郎氏、小宮岳夫氏/写真=左)。「2チャンネル リモコンボクシングファイター」に実装して、攻撃判定をLEDの点灯とビープ音で知らせる「HC08ボクシング・コンピュータ」(川野亮輔氏/写真=中央)。デモでは九十九電機社長の鈴木氏と制作者の川野氏による対戦が行われた(写真=右)

※記事初出時、記事とは直接関係のない写真が掲載されておりました。お詫びして訂正いたします。



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