“タフで軽量”を標榜するモバイルPCの中にあって、本機と他製品を明確に分けるのはやはり入力環境だろう。キーボードには、すべての文字キーに17.55ミリピッチの正方形キートップを採用。タイプミスの原因となる変則的なピッチを一切排除し、上下方向のピッチにも余裕を持たせている。実際にブラインドで長文を入力してみたが、使い慣れたキーボードのように自然にタイプでき、ストレスを感じることはない。またキーボードユニット自体にもしっかりとした剛性感があり、端のキーを叩いても大きなたわみは見られなかった。
ただし細かく見ていくと、文字キーと密接したカーソルキー、およびその影響でサイズが縮小された右Shiftキーは不満点として挙げられる。文字入力には関係のない部分だが、右Shiftキーと上方向キーを押し間違うことがあるかもしれない。
なお、タッチパッドはシンプルな2ボタン式で、右側/下側のエッジをなぞることでウィンドウをスクロールできる。ボタンは小ぶりながら、押し込むとカチリとした感触が返ってくるため、確実にクリック操作を行なうことができた。
液晶ディスプレイには、屋外での視認性を優先した非光沢パネルを採用する。表示は十分に明るく視認性は良好だが、上下方向の視野角の狭さが気になった。机の上に置いて使うぶんには問題はないのだが、ひざの上に乗せて使うときは最も画面が見やすい角度よりもわずかに高い位置から画面を覗き込む形になってしまうのは気になった。
本機を同カテゴリーに属する最新モデルと比較すると、アーキテクチャはやや古くさく、昨今流行りの耐防滴といった“尖った”特徴も持たない。それでもなお「LaVie J LJ700/EE」にはほかにはない魅力がある。それは、製品として何よりもまず“使いやすさ”に重きを置いている点だ。
本当に使い勝手のよいモバイルPCを考えたとき、携帯性や頑丈さは当然の要素として取り入れつつ、しかし目を引きやすいスペック競争に走るのではなく、入力環境や発熱といった“ユーザー体験”を重視するNECの選択には強く賛同したい。本格的なビジネスワークに用いるノートPCを探している人に是非すすめたい1台だ。
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