PC USER Pro
レビュー
» 2006年07月21日 15時00分 公開

今度の“新人”はあなどれない(後編)――実力派カラーレーザー「Dell 3110cn」

前回のレビューでは3110cnの概要やオプション製品、ドライバなどの使い勝手を見てきたが、今回はプリント速度や印刷品質などをチェックしていこう。

[小川夏樹,ITmedia]

シンプルな構成ながら使いやすい操作ボタン

操作パネルはモノクロ2ラインの非常にシンプルなもの

 本体前面上部に用意されている液晶と操作ボタン類は非常にシンプルだ。標準設定ではモノクロディスプレイに現在のプリンタの状況と各色トナーの残量が表示される。ステータスの表示はカタカナで、各種設定はここを見ながら行う。操作ボタンは左からメニュー呼び出し、中央の円形ボタン(決定ボタン)、上下左右に矢印キーを配置したメイン操作用ボタン、その右側にジョブキャンセル(メニューの戻るにも使える)が並ぶ。

 この価格帯の製品の中には、ボタン数が少ないためにメニュー操作時に設定したい項目を間違って通り過ぎてしまったとき、メニューを一周させないと戻れないものがあるが、矢印キーがあることでメニューの前送り/後送り操作は楽に行える。液晶部分が小さいゆえ一度に表示される情報量は少ないが、そのような限られた条件内でできる限りの対応は行っていると言えるだろう。

タンデム方式ならではの十分な高速性を発揮

ベンチマークテスト(すべてA4)
電源オンから印刷可能になるまで 21秒
モノクロのファーストプリント 11秒9
JEITA J1(モノクロ5部) 19秒6
JEITA J1(モノクロ30部) 66秒6
JEITA J9(カラー20部) 87秒9
テストに使用したPC:CPU Athlon64 3200+(2.0GHz)、メインメモリ 512MB、HDD Seagate ST3160021A(160GB)、OS Windows XP Professional(SP2)

 本機は4色を一度に印刷するタンデム方式を採用しているだけあって印刷速度は軽快だ。メーカー公表の速度はA4モノクロ30枚/分、カラー17枚/分となっている。そこで実際の出力速度をテストした。

 計測したのは「電源オンから印刷可能になるまで」「A4/モノクロのファーストプリント」「JEITA J1(A4/モノクロ5部印刷)」「JEITA J1(A4/モノクロ30部印刷)」「JEITA J9(A4/カラー20部印刷)」にかかる時間である。テストはストップウォッチによる手動計測で、Word 2003(JEITA J1印刷)の印刷画面で「OK」をクリックした時点で計測を開始し、最後の用紙が排出された段階までを5回行なった中間値を採用している。なお、カラー印刷時にはソート(部単位で印刷)はオフにし、ドライバの設定はモノクロ/カラーとも標準設定である。

 テスト結果から逆算するとモノクロが約27枚/分、カラーが約14枚/分となり、カタログスペックには届かないものの、なかなか優秀な速度である。とくにモノクロ印刷時は、スパッスパッといった軽快な動きで次々と用紙が出てくるのでストレスを感じない。

 逆にカラー印刷時には、標準のメモリ容量ではぎりぎりなようで一瞬息継ぎ状態になってから用紙が排出されることもあった。試しに高解像度のグラフィックスや静止画データを多用した文書を出力してみると、出力するページによっては展開に時間がかかり数秒〜数十秒もの間「ショリ シテイマス」という表示のまま出力が停止してしまう。このような文書をストレスなく印刷するには標準の128Mバイトでは明らかに容量不足である。グラフィックスを多用したカラー文書を大量に印刷することが多いなら、メモリ増設が前提となる。とはいえ、メイン用途はモノクロ印刷でときどきカラー出力を行えればよいのなら、標準の128Mバイトでもストレスのない運用が可能であろう。

満足できるモノクロ印刷品質とあなどれないカラーグラフィック出力

 本機はイメージング処理により、最大2400dpi相当×600dpiの出力が可能である。ただし、ビジネス文書などの出力に関しては、そこまでのクオリティを必要としないはずだ。そこでドライバの標準設定でテキストを出力し、そのクオリティをチェックした。

 6ポイントの小さな文字でも潰れやかすれなどは感じられず十分に満足できる出力結果が得られる。このクオリティで30枚/分に迫る速度が出ることを考えれば、モノクロ印刷をメインに利用する場合でも十分に製品価値があると言えよう。また、デジタルカメラで撮影した写真などのグラフィック印刷も、高品位なインクジェットには及ばないもののカラーレーザーながら階調表現もまずまずなレベルにある。ここまでの性能を持ちながら1年間のパーツ無償保証、フリーダイヤルによるテクニカルサポート、1年間の翌営業日オンサイトサービスといったサービスまで含めて8万9800円という直販価格は十分に納得できる設定である。

 ランニングコストも標準カートリッジでモノクロが5000枚、カラーが4000枚(モノクロ1.86円、カラー11.2円)、大容量カートリッジではモノクロ/カラーともに8000枚と低く抑えられている。多少大きめの本体サイズや重量、フェイスダウン排紙しか行えなかったり印刷時の音(印刷時で56dB)など気になる点がないわけでもないが、それらを差し引いてもコストパフォーマンスは抜群に高い。今後はA4クラスのカラーレーザーの選択候補に3110cnを入れることを強くおすすめしたい。

普通紙へのテキスト出力(ドライバは標準設定)を1200dpi(24ビット)でスキャニングした印字サンプル(画面=左)。文字のかすれや小さなポイントでも判別が可能だ。右の画面は300万画素のデジカメデータを600dpiで普通紙に出力したデータを600dpi(24ビット)でスキャニングしたサンプル。普通紙への印刷であるが、低価格なカラーレーザーにしては良好な階調表現と言える

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