「Viiv」「情報家電」「データセンター」Intelが掲げる三題噺のオチどころIDF Fall 2006(2/2 ページ)

» 2006年10月03日 18時45分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

増え続けるメガデータセンターの課題は「消費電力」

Googleが運用するデータセンターでは、導入後3年でサーバあたりの消費電力が初期導入コストを上回る

 IntelがCoreマイクロアーキテクチャを採用するCPUのリリースにあたってとくに強調していたのが「低消費電力」と「消費電力あたりのパフォーマンス」(PPW)の2つだ。効率よく電力を消費して少ない消費電力で最大限のパフォーマンスを発揮する。Intelに限らず、AMDやIBM、サンマイクロシステムズなど、ほかのCPUメーカーもこぞってPPWの高さを主軸においた製品戦略をアピールしているように、これが業界トレンドの1つにもなっている。

 消費電力とパフォーマンスの関係は、何十台、何百台ものサーバを限られたスペースで運用しているデータセンターにおいてかなり深刻な問題となっている。とくに「Google」「MSN」「Yahoo」など、世界規模でオンラインサービスを提供するような事業者では、一般企業が有するようなデータセンターをはるかに凌ぐ巨大な「メガデータセンター」を保有しており、その運用コストだけでもかなりの金額になる。Googleが運用しているデータセンターの集計によれば、サーバの初期導入コストも高価だが、運用を続けるごとに電力コストは累積していき、運用開始後3年を経過した段階で初期導入コストを上回り、その後も上昇を続けていくという。それだけに消費電力に対する要求はシビアになる。

データセンター内では末端のサーバに電気が到達するまで、何回にもわたるAD/DA変換、電圧変換のプロセスが行われているが、これを直流の高電圧(High Voltage DC)で統一することで伝播や変換にかかる電力ロスを最小限にできる

 IDFでは、CPUの消費電力改善以外に、こうした消費電力を抑える技術を紹介するデモが行われた。現在の一般的なデータセンターでは、電力会社から送電線を通してやってくる電気をいったん無停電電源ユニット(UPS)に溜め込み、そこから電圧を落として各サーバラックに電気を分配し、それから各ラックに収納されたサーバの電源ユニットへ電源が供給される。サーバのマザーボードに電気が供給されるまでの間に「交流」(AC)と「直流」(DC)の変換が3回、トランスによる電圧の変更が2回行われている。もし、こうした作業をそれぞれ1回まで減らし、各ユニット間の電気の運搬をDCの一定電圧で行うことができれば電力ロスの削減につながる、というのが今回IDFで提案されたアイデアだ。

 紹介されたデモでは、通常のACによる電気の運搬システムでは3800ワットほどあった消費電力が、DCによる新しいシステムでは3300ワット程度まで落ちて14%ほどの電力削減を実現している。この技術を100万ワットあたりの運用可能なサーバ数で換算すると、台数にして約600台の差、60%ほどの運用効率向上につながるという。

 今回はデータセンター向けのソリューションだったが、CPU以外の電力消費効率を上げてシステム全体の消費電力削減を目指すという方向性はデスクトップPCやノートPCなどでもみられる。例えば、ノートPCでは画面描画などが発生しないアイドル状態のときにリフレッシュ動作を最小限にして電力消費を押さえ込んだり、電力消費の大きいHDDの代わりフラッシュメモリを利用するなど、さまざまな試みが行われている。

High Voltage DCを用いた電力ロス削減のデモ。通常の交流電源の利用に比べ、14%ほど消費電力削減に成功している
一定の電力下で運用可能なサーバ台数で比較した場合、High Voltage DCでは60%ほど台数が増大する
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月14日 更新
  1. スウェーデンのファンドが「価格.com」「食べログ」約5900億円でカカクコムを買収へ AI戦略を加速 (2026年05月13日)
  2. 待望のカラー版も選べて大型化! Amazonが「Kindle Scribe」2026年モデルを発表 Google Drive連携など機能も強化 (2026年05月12日)
  3. Googleが「Googlebook」をチラ見せ AndroidとChromeOSを“融合”した全く新しいノートPC 詳細は2026年後半に紹介 (2026年05月13日)
  4. 「MacBook Neo」は「イラスト制作」に使えるか? Appleが仕掛ける“価格の暴力”を考える (2026年05月12日)
  5. NVIDIA“一強”を突き崩すか AMDのAIソフトウェア「ROCm」と次世代GPU「Instinct MI400」がもたらす新たな選択肢 (2026年05月12日)
  6. 高騰続くパーツ市場、値札に衝撃を受ける人からDDR4使い回しでしのぐ自作erまで――連休中のアキバ動向 (2026年05月11日)
  7. ノートPCを4画面に拡張できる“変態”モバイルディスプレイ「ROADOM 14型 モバイルマルチディスプレイ X90M」が6万1560円に (2026年05月12日)
  8. 約2000円で購入できる「エレコム USB扇風機 FAN-U177BK」 (2026年05月12日)
  9. 画面を持たない約12gの超軽量ウェルネストラッカー「Google Fitbit Air」 1万6800円で5月26日に発売 (2026年05月07日)
  10. AIでギターやボーカルを消去! JBLの楽器練習向け次世代スピーカー「BandBox」が公開 クラファン価格は3万5200円から (2026年05月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年