対応フォーマット | |
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動画 | |
対応ビデオコーデック | DivX(3.11/4.x/5.x/6.x)、XViD |
オーディオ | MP3、OGG |
ファイルフォーマット | AVI |
解像度 | 最大720×480ドット |
ビットレート | ビデオ:最大2500kbps、音声:最大384kbps |
オーディオ | |
対応フォーマット | MP3、OGG |
サンプリングレート | 16bit/8〜48KHz |
画像 | |
対応フォーマット | JPG、BMP、PCX、GIF(アニメーション未対応)、PNG |
まずはメディアプレーヤーとして使ってみる。GP2Xは電源を投入すると起動音とともにタイトル画面が表示される。先に述べた通り、ボリュームボタンは単なるボタンのため、各アプリごとにその場限りのボリューム調整しかできない。さらにタイトル画面ではボリュームボタンは無効となっており、必ず同じ音量で鳴り響くことになる。音が気になる場面で利用するときは、起動前からヘッドフォンをつけていないと周囲から白い目で見られること請け合いだ。
ランチャー画面には「Video」「Music」「Photo」「E-Book」の4種類のプレーヤーと、アプリケーションを起動する「Game」「Utility」、ファイル操作のための「Explorer」、そして各種設定を行う「Setting」の8つのアイコンが並ぶ。
どのプレーヤーを選んでもファイル再生までの手順は同じだ。すなわち、プレーヤーを選択した後に、SDカード、内蔵メモリ、外部ストレージのいずれかを選び、フォルダをたどってファイルを指定する。はじめにVideoを選択しておけば動画ファイルしか表示されないし、Musicを選べばオーディオファイルしか表示されない。ただWindowsのエクスプローラに慣れた身としては、プレーヤーを選んでからファイルを指定するよりも、ファイルに関連付けられたプレーヤーを自動的に立ち上げてくれるほうがよかった。
実際に動画を見た印象としては、応答速度も十分で残像は気にならないレベル。アクリルパネルのおかげで発色も良く鮮やかな映像表示だ。ただしその半面、屋外では外光がパネルに反射して視認性は極端に悪くなった。なお、色や輝度の調整メニューはない。
ここまで読んで「GP2Xはそれなりの品質はクリアしているけれどもやや粗があるなあ」という感想を持たれた方が多いのではないだろうか。上で述べた説明は、(ハードウェア的なものを除くと)実はGP2Xの魅力とはほぼ無関係の内容だったりする。無関係とは言わないまでも、誰かに騙されたのでもなければGP2Xをわざわざ日本人が購入してメディアプレーヤーとして使う人はまずいないはずだ。もしそういった用途を想定しているのであれば、ほかにもっと良い携帯端末はたくさんある。
GP2Xの最大の魅力は、OSがLinuxで、グラフィックライブラリがSDL(Simple Directmedia Layer)と、大部分がオープンソースで構成されていること、なおかつ開発キットが販売元から提供されている点なのだ。さらに、統合開発環境(IDE)でプログラミングをしたいという人には、これまた無料で配布されているマイクロソフトの「Visual C++ 2005 Express Edition」も利用できる。
このような環境が整備されていることにより、ありとあらゆるソフトウェア、ゲーム、そしてエミュレータがユーザー側から公開されている。ランチャーの使い勝手を云々しても、それは単にデフォルトのランチャーがどうだ、という話に過ぎず、商用ゲームタイトルがないのは逆に言えば自己責任を意識しながらフリーで遊べるゲームが多いことを意味する。なお、ここでいう「フリー」は無料ではなく“自由”。GP2Xの向こう側には膨大な数のコンテンツが待ちかまえている。ネットは広大だ。
というわけで、次回はそんなユーザたちによって開発されたソフトウェアを紹介しつつ、GP2Xの真価に迫る。
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