オープンソースな大人のオモチャ、「GP2X」ってなんだ?GP2Xで遊ぼう! 第1回(1/3 ページ)

» 2006年10月31日 15時11分 公開
[爪生聖,ITmedia]

 日本ではあまり知られていないが、海外のマニアに高い評価を得ているポータブルメディアプレーヤーがある。製品の名は「GP2X-F100」(以下、GP2X)、販売元は韓国のGamePark Holdingsだ。

 俗称で“GP2X Mk.II”と呼ばれていることから分かるように本製品は2代め。もっとも、基本スペックは前モデルからほぼ踏襲されており、サムスティックの改良や液晶保護カバーなどを除けばファームウェアのアップデートが主な内容だ(従来モデルでもファームアップは可能)。日本で取り扱っているショップは数えるほどしかないが、だいたい2万5000円〜2万9000円で売られている。

GP2Xの主なハードウェアスペック
CPU MP2520F(デュアルコア、ARM920T/ARM940T)
メインCPU ARM920T 200MHz
ビデオ用コプロセッサ ARM940T 200MHz
内蔵メモリ NAND型FLASH 64MB
外部メモリ SDカード
バッテリ 単3形電池×2
ディスプレイ 3.5インチTFT液晶(320×240ドット)
外部映像出力 Sビデオ(最大720×480ドット)

 ポータブルメディアプレーヤーと銘打ってはいるものの、内蔵メモリは64Mバイトしかなく、HDDも搭載していない。そのため、iPodZENGigabeatなどとは少しセグメントが異なり、むしろポータブルゲーム機のカテゴリに含まれる。とはいえ、PSPが2万790円、ニンテンドーDS Lite(以下、NDS Lite)が1万6800円、NDS Liteに5000円のPLAY-YAN microを加えた価格と比較してもGP2Xは安くない。しかも見た目はそのままポータブルゲーム機なのに、商用ゲームソフトはほとんど発売されていないのだ(1本も出ていない、という噂さえある)。

 そんな“ないないづくし”のポータブルメディアプレーヤーがなぜ売れているのか。この短期連載では、実際にGP2Xを購入してその秘密に迫ってみる。

本体デザインとインタフェースをチェック

 まずは外観と基本スペックから見ていこう。本体のサイズはNDS Liteを畳んだ状態に比べて、幅/奥行き/高さともに一回り大きい。画面のほうもNDS Liteの画面1つ分と比較すると広くなっている。ただし、重さはNDS Liteの219グラム(DSカード込み)に対して216グラム(SDカード、電池込み)と、こちらはわずかながらGP2Xのほうが軽い。

本体は畳んだ状態のNDS Liteより一回り大きい(写真=左)。底部が小さいので上から見ると薄く感じるが、実際は結構な厚みがある。単3電池が収まるのだから当然といえば当然だ(写真=中央)。ディスプレイのサイズは1つならGP2Xのほうが広い(ただし全体ではNDS Liteの勝ち)。解像度はGP2Xが320×240ドット、NDS Liteが256×192。

 特徴的なのは十字キーの代わりに付けられたサムスティックだろう。一見するとDUAL SHOCK 2のアナログスティックと同等のものかと思うが、実際には8方向のデジタル入力になっている。ただし、きっちりと上下左右に入力するのはなかなか至難の業だ。このサムスティックはDUAL SHOCK 2のL3/R3ボタンと同じように、押し込むことも可能だ。

左の親指で操作するサムスティック。従来に比べてやや大きくなった

 そのほかは右手親指で操作するA、B、X、Yの4つのボタン、人差し指を置くLとR、それにSELECTとSTART、ボリューム調整ボタンの2軸11ボタンという構成だ。ボリューム調整もボタンに含める理由は、実はこれ、ハードウェア的にボリュームを調整するものではなく、このキー入力を読んでアプリケーション側が独自に音量を上げ下げするという代物なのだ。

 これをお粗末と見るか、それとも「そこまでいじれるのか!」と喜ぶかはその人次第。実際、画像ビューアではボリューム調整ボタンはズームボタンとして動作する。これを稚拙なユーザビリティと見るか、柔軟な発想と見るかもその人次第だ。

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