第2回 今シーズン注目の複合機8モデルをチェック複合機06年モデル徹底攻略ガイド(1/3 ページ)

» 2006年11月28日 11時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

 前回は、エプソン、キヤノン、日本HPの複合機最新モデルにおける強化ポイントとラインアップ構成を紹介した。2回目となる今回は各社の人気モデルにフォーカスし、予算5万円のハイエンドクラス、予算4万円のミドルハイクラス、予算3万円/ミドルレンジクラスに分けて製品紹介とインプレッションをお届けする。各モデル横並びでの詳しい検証は、次回から行う予定だ。

 なお、今回の特集では発売時の実売価格が2万円台前半以下になっている低価格機は取り上げていない。低価格機では今年のキーワードとして挙げられる注目機能が省かれていることが多く、これから複合機を購入するなら、ミドルレンジ以上のモデルを選んだほうが確実に高い満足度が得られるからだ。

予算5万円/ハイエンドクラスの複合機を狙う

Colorio PM-A970(エプソン) 実売価格5万円前後

Colorio PM-A970

 エプソンのColorio PM-A970は、ラインアップ上ではPM-T990の1つ下に位置するが、テレプリパと有線/無線LANインタフェースを持たない以外、PM-T990と同等の性能と機能を備える。テレビとの接続やネットワーク機能は利用するユーザーが限られるため、実質的なフラッグシップモデルとも言えるモデルだ。

 プリンタ部は染料6色のPM-Gインク、スキャナ部は光学4800dpiのCCDセンサを採用する。特筆すべきはダイレクト印刷の速さで、スタートボタンを押してから5秒前後で印刷が始まる。これは新搭載の画像処理エンジンREALOIDの恩恵だ。印刷自体も昨年のモデルからかなり速くなった。画質面ではオートフォトファイン!EXの洗練が見て取れる。昨年のPM-A950は、やや渋めで玄人好みの発色だったが、PM-A970はどちらかといえば高明度で高コントラストの味付けだ。一般的にはこちらのほうが好まれるだろう。画像によって発色の傾向がブレることも少なくなり、人肌をより重視したチューニングも奏功していると感じた。

 操作性はPM-A950をほぼ踏襲し、その多機能ゆえに、液晶モニタのメニュー構成が少々複雑になるのは仕方ない。ただ、液晶モニタが3.5インチから4.0インチに大型化し、Photo Fine Ultraにより表示品質も向上したほか、印刷枚数を設定するボタンの復活、カーソル移動の高速化など、使い勝手は確実に改善されている。多くの操作シーンにおいて、現在のおもな設定内容が液晶モニタに表示され、画面を切り替えずに確認できる点もよい。

 データ保存に役立つCD-RW/DVD-ROMコンボドライブをはじめ、スキャン画像をメモリカードに直接保存(JPEG/PDF)できるなど、スタンドアロン機能も充実している。5万円前後という実売価格は複合機にしては高いが、投資に見合った環境が得られるのは間違いない。

PIXUS MP960(キヤノン) 実売価格4万5000円前後

PIXUS MP960

 今年のキヤノンがフラッグシップモデルに据えたのが、このPIXUS MP960だ。昨年の最上位機MP950の後継機に位置づけられる。ハードウェアの強化点は少なく、液晶モニタは3.6インチから3.5インチに小型化されたものの、視野角と発色、応答速度が向上し、MP950よりもはるかに見やすくなった。新採用のホイール型ユーザーインタフェースEasy-Scroll Wheelと円状にアイコンを配置した液晶モニタのメニュー構成により、直感的な操作が行える。また、紙送り制御用のエンコーダを従来の給紙側ローラーに加えて排紙側ローラーにも搭載し、紙送り精度を高めている(ダブルエンコーダシステムと呼ばれ、新モデルのMP960/MP810/MP600に搭載)。特に、フチなし印刷時の用紙後端付近で紙送りが速くなり、全体の印刷速度もアップした。

 インクシステムは引き続き染料6色+顔料Bkの全7色で、多目的に使う複合機として理にかなった構成だ。普通紙印刷やコピーの黒いテキスト/罫線は顔料Bkで印刷されるため、染料6色による高品質なカラー印刷と、シャープなテキスト/罫線印刷を両立できる。写真印刷の傾向は、下位モデルで染料4色印刷のMP810やMP600よりも、コントラストが控え目なようだ。そのぶん、階調性や緻密さで6色印刷の利点が感じられる。

 スキャナ部分ではMP950のデュアルCCDセンサ(3200dpi/800dpiのセンサを搭載)が廃止され、光学4800dpiのシングルCCDとなった。反射原稿スキャン用だった光学800dpiのCCDを省いたわけだが、コピー時間が若干遅くなった程度で、悪影響はほとんど感じない。このように、過剰気味だったスペックを絞り込み、重要な部分は着実に進化させたことで、フラッグシップとして一層の高みに達しているモデルだ。

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