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» 2006年11月30日 16時00分 公開

複合機06年モデル徹底攻略ガイド:第4回 複合機8モデルのスピードを見極める (1/2)

前回は今秋発売された注目の複合機8モデルを集め、各種機能を比較した。今回は各モデルのプリント/コピー/スキャン速度をチェックする。

[林利明(リアクション),ITmedia]

 複合機の使用感を左右する重要な要素がスピードだ。高画質かつ多機能な製品であっても、プリントやスキャンの速度が遅いようでは、ユーザーのストレスになってしまう。そこで今回は、エプソン、キヤノン、日本HPから発売された注目の複合機を集め、同一環境でプリント/コピー/スキャン速度を比較した。ピックアップしたモデルは以下の通りで、予算5万円/ハイエンドクラス、予算4万円/ミドルハイクラス、予算3万円/ミドルレンジクラスの3つに分けて8モデルを選んでいる。各モデルの概要は第2回、機能比較は第3回を参照してほしい。

本特集で検証する複合機
予算5万円/ハイエンドクラス
Colorio PM-A970 エプソン 5万円前後
PIXUS MP960 キヤノン 4万5000円前後
予算4万円/ミドルハイクラス
Colorio PM-A920 エプソン 3万8000円前後
PIXUS MP810 キヤノン 3万7000円前後
HP Photosmart C7180 All-in-One 日本HP 3万5000円前後
予算3万円/ミドルレンジクラス
Colorio PM-A820 エプソン 2万8000円前後
PIXUS MP600 キヤノン 2万8000円前後
HP Photosmart C5180 All-in-One 日本HP 2万5000円前後
左からColorio PM-A970、PIXUS MP960、Colorio PM-A920、PIXUS MP810

左からHP Photosmart C7180 All-in-One、Colorio PM-A820、PIXUS MP600、HP Photosmart C5180 All-in-One

 各テストについては、PC環境のプリンタドライバとスキャナドライバ、PCを接続しないダイレクト印刷とスタンドアロンコピーのいずれも色に関する設定をすべてデフォルトに設定した。速度計測に関する条件は、各項目を参照してほしい。

PCからA4モノクロ文書を印刷

 PCと各複合機をUSBで接続し、JEITA規格のプリンタ用標準テストパターン「JEITA J1」(A4モノクロ文書)をMicrosoft Office Word 2003からA4普通紙に印刷した。各複合機で紙送りが始まる瞬間から、排紙が完了するまでの時間を計測している。ドライバの設定は、最速、最速の1つ上位、最速の2つ上位という3パターンを試した。PM-A970は最速設定(レベル1)が選べないため、最速の1つ上位(レベル2)と2つ上位(標準)を計測している。C7180とC5180は、用紙種類、サイズ、給紙場所を手動で設定した。デフォルトの自動設定だと認識時間が加わるため、給紙から排紙までの時間は少し伸びる可能性がある。

PCからA4モノクロ文書を印刷
用紙 レベル1 レベル2 標準
PM-A970 普通紙 5秒35 13秒43
PM-A920 普通紙 6秒08 6秒53 16秒62
PM-A820 普通紙 3秒97 7秒83 17秒53
用紙 品位5 速い 標準
MP960 普通紙 3秒21 4秒19 5秒63
MP810 普通紙 2秒96 4秒05 5秒66
MP600 普通紙 2秒96 4秒05 5秒68
用紙 はやい最速 はやい標準 きれい
C7180 普通紙 6秒19 8秒53 8秒67
C5180 普通紙 6秒12 8秒58 8秒72
PCのテスト環境
CPU Pentium 4 2.4B GHz
チップセット Intel 845P
メモリ DDR SDRAM 1Gバイト(PC2700)
HDD Seagate ST3160021A(7200rpm)
グラフィックス ATI RADEON 9000
OS Windows XP Professional(SP2)

 印刷速度が最も速いのは、MP810とMP600だった。いずれも給紙から排紙まで3秒弱しかかかっていない。MP960も3秒強と高速だ。PM-A920、C7180、C5180については、6秒強かかったが、さすがに待たされる印象はない。ちなみに、画質を考えると、どの複合機も最速の2つ上位の設定がベストだ。この設定は、普通紙を選んだときのデフォルト品質になっている。総じて、キヤノンの速さが目立つ結果となった。

PCからL判写真を印刷(フチなし/フチあり)

 PCと各複合機をUSBで接続し、オリジナルの写真画像をAdobe Photoshop CS2からL判サイズに印刷した。印刷した画像ファイルは約1.8Mバイト/約600万画素だ。印刷用紙はすべてメーカー純正品で、エプソン機は「写真用紙クリスピア」、キヤノン機は「プロフェッショナルフォトペーパー」、日本HP機は「アドバンスフォト用紙」と「プレミアムプラスフォト用紙」だ。日本HPのSPTプリントエンジンを搭載したモデル、つまり今回紹介するC7180とC5180の2モデルは、アドバンスフォト用紙が推奨のメディアだが、発色と耐候性はプレミアムプラスフォト用紙が優れているため、こちらも計測した。

 ドライバ設定は、最高品質、最高品質の1つ下位、最高品質の2つ下位という3パターンを選んでいる。どのモデルも最速設定で印刷すれば、より高速な結果を得られるが、実際の利用シーンでは標準以上のある程度の画質が見込める設定で写真を印刷することが多いと考えて、今回はこの3パターンとした。

PCからL判写真を印刷(フチなし)
用紙 標準 きれい きれい(双方向オフ)
PM-A970 写真用紙クリスピア 19秒46 1分03秒94 1分37秒84
PM-A920 写真用紙クリスピア 22秒83 1分29秒93 2分35秒76
PM-A820 写真用紙クリスピア 26秒08 1分48秒23 3分08秒06
用紙 標準 きれい 品位1
MP960 プロフェッショナルフォトペーパー 28秒76 43秒24 1分39秒86
MP810 プロフェッショナルフォトペーパー 17秒47 41秒05 1分48秒32
MP600 プロフェッショナルフォトペーパー 24秒89 40秒88 1分45秒14
用紙 きれい 高画質 最大dpi
C7180 アドバンスフォト用紙 22秒09 47秒59 58秒98
C7180 プレミアムプラスフォト用紙 1分19秒46 1分36秒45 1分48秒77
C5180 アドバンスフォト用紙 22秒13 48秒66 58秒35
C5180 プレミアムプラスフォト用紙 1分19秒38 1分37秒12 1分48秒69

PCからL判写真を印刷(フチあり)
用紙 標準 きれい きれい(双方向オフ)
PM-A970 写真用紙クリスピア 17秒57 52秒64 1分22秒79
PM-A920 写真用紙クリスピア 22秒35 1分08秒08 1分59秒96
PM-A820 写真用紙クリスピア 24秒58 1分24秒19 2分27秒03
用紙 標準 きれい 品位1
MP960 プロフェッショナルフォトペーパー 22秒93 34秒68 1分21秒47
MP810 プロフェッショナルフォトペーパー 14秒01 33秒53 1分30秒23
MP600 プロフェッショナルフォトペーパー 18秒58 32秒57 1分26秒46
用紙 きれい 高画質 最大dpi
C7180 アドバンスフォト用紙 21秒98 47秒22 58秒68
C7180 プレミアムプラスフォト用紙 1分17秒25 1分30秒43 1分40秒89
C5180 アドバンスフォト用紙 21秒53 47秒58 58秒77
C5180 プレミアムプラスフォト用紙 1分16秒97 1分31秒65 1分40秒73

 結果を見ると、最高品位から2つ下位の設定では、総ノズル数が4608本と圧倒的に多いMP810がリードした。PM-A970も高速だ。最高品位から1つ下位の設定では、キヤノンの3モデルと日本HPの2モデルが速く、エプソンの3モデルはやや遅れる傾向にある。印刷した写真の配布や保存性、速度のバランスを考慮すると、どの複合機も最高品質の1つ下位がベストだろう。エプソン機とキヤノン機は、インクの最小ドロップが小さいこともあり、最高品質の2つ下位の設定でも十分きれいだ。日本HPの「きれい」設定は、ドットが少々見えやすくなるため、画質にこだわるなら「高画質」設定をおすすめする。

L判フチなし写真をCFからダイレクト印刷

 次にPCを経由せず、メモリカードからダイレクト印刷した場合の速度を計測した。PC印刷と同じ写真画像を、レキサーメディアの80倍速コンパクトフラッシュに保存し、各複合機からダイレクト印刷している。計測時間はPCから印刷するテストと異なり、本体の印刷実行のボタンを押してから排紙が完了するまでだ。そのため、画像の読み込み時間やレンダリングの時間も含まれる。

L判フチなし写真をCFからダイレクト印刷(フチなし)
用紙 標準 きれい
PM-A970 写真用紙クリスピア 24秒53 1分10秒46
PM-A920 写真用紙クリスピア 26秒02 1分32秒93
PM-A820 写真用紙クリスピア 41秒89 1分55秒99
用紙 標準 きれい
MP960 プロフェッショナルフォトペーパー 42秒36 50秒92
MP810 プロフェッショナルフォトペーパー 40秒87 50秒13
MP600 プロフェッショナルフォトペーパー 38秒42 51秒21
用紙 標準 きれい
C7180 アドバンスフォト用紙 36秒45
C7180 プレミアムプラスフォト用紙 1分45秒81
C5180 アドバンスフォト用紙 30秒16
C5180 プレミアムプラスフォト用紙 1分46秒07

 PM-A970とPM-A920の「標準」設定が高速で、アルバム鑑賞ならこれで十分の画質だ。凝視すれば「きれい」設定のほうが緻密なことは分かるが、標準品質の約3倍の時間に見合う画質差は感じない。キヤノン機の画質も「標準」設定で十分だが、「きれい」設定でもそれほど遅くならないのがポイントだ。C7180とC5180は、用紙種類と給紙場所を自動設定(デフォルト)で計測したが、ダイレクト印刷の品質設定は固定となっている。時間はいずれもアドバンストフォト用紙使用時で30秒台となかなか高速だ。

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