IT関連のメディアに携わる某編集者と、インスタントメッセンジャーで以下のような会話をした。
爪生 FONのサービス、日本でも始まったね。
編集G ああ、そうらしいですね。
爪生 で、いまだけルータが無料らしいんだよ。
編集G どうなんですかねえ、あれは。
爪生 とりあえず申し込んでみた。すぐ来たよ。早いねえ。
編集G ふーん、じゃあ明日、いやもう今日か、今日記事を掲載しましょう。
爪生 ……。
編集G 何か問題が?
まずはじめに、FONが何者であるかの説明をせねばなるまい。FONはスペインで設立された無線LAN共有サービスで、同社が提供する専用無線ルータ「La Fonera」を家庭のLANに接続することにより、外部からアクセスポイントとして利用できるようにするものだ。簡単に言うと、自宅の無線LAN環境を他人に開放しているユーザーから、無料/有料でその帯域を借りる仕組み。
このサービスのユニークな点はアクセスポイントの利用者および設置者に「Linus」「Bill」「Alien」の3つのプランが存在していることだ。名前の響きで直感的に「Linusがいいなぁ」と思うかもしれないが、いちおうそれぞれのプランが持つ特徴を見ておこう。
以上を見れば分かるように、FON自体の収入源は(La Fonera本体で収益をあげない限り)Alienが購入するワンデーパスからBillの取り分を引いたものになる。アクセスポイントの普及のためにはLinusがキーになるが、会社の収益はAlienに頼っているため、すべてのユーザーがLinusになるとサービスは破綻してしまう。世界はまだBillを必要としているのだ。なお、日本国内でのBillサービスの開始は現時点では未定。
このサービスのインフラとなる専用ルータ「La Fonera」は、定価1980円と非常に安価でありながら、802.11b/gの無線LAN機能を搭載している。しかも、日本のサービスインを記念した12月9日までの5daysキャンペーンでは0円で提供されている。La FoneraはSSIDを2つ持っており、外部に公開するパブリックなアクセスポイントだけでなく、家庭内で利用するためのプライベートなアクセスポイントとしても利用できる。
つまり、外出先で無線LANを使う予定がない人でも、無料で無線ルータが導入できるというメリットがあるわけだ。むむむ、これはちょっと幸せになれる気がする。ただ、無料といってもお金がまったくかからない、というわけではないので「予想外だ」などと驚かないようにしてもらいたい。FONの導入にあたっては以下のものが必要になる。
さて、公式サイトからLa Foneraを申し込んだら届くまでしばらく待とう。その間はアクセスポイントを提供していないためAlienとなる。
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