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» 2007年01月10日 18時22分 公開

2007 International CES:オーバークロック特化型XPSも登場──DellのCES基調講演

「朝早いし“Dell”だしね」と2006年のCESで失礼な物言いをしていた人は「Quad SLI搭載のXPS」に驚いた。2007年の「朝早い」基調講演もやっぱり見逃せないのだ。

[富永ジュン,ITmedia]

 CESにおけるDellのスピーチセッションは、その時期に最も力を入れている注目の新製品の発表会でもあった。2006年にはNVIDIAが開発したQuad SLIの発表ともなった「XPS 600 Renegade」が登場してユーザーの注目を集めたが、2007年も長らく発売が待ち望まれていた27インチワイドフラットパネル液晶ディスプレイ「UltraSharp 2707WFP」にオーバークロックしたCore2 Extremeを選択できるフラッグシップデスクトップPC「XPS 710 H2C EDITION」などに加え、先日Dellが買収したALIENWAREからもNVIDIA SLIが利用できるノートPC「Aurora m9700」がマイケル・デル氏の基調講演で発表された。

Dellの創立者でありチェアマンのマイケル・デル氏

 Dellの創立者であり現在はチェアマンのマイケル・デル氏は、2006年に同社が注力したデジタルエンターテイメントゲーミングの分野がユーザーから大きな反響を得られ、2006年6月に発表したゲーマー向けハイエンドノートパソコン「XPS M1210」とフラッグシップデスクトップ「XPS 700」は各メディアから絶賛された語った。

 デル氏はデジタルホームエンターテイメントの分野において、ブロードバンドは不可欠との考えを示した。米国の現状ではブロードバンドというとxDSLやCATV接続が一般的だが、インターネット上の動画やオンラインゲームといったコンテンツを十分に楽しむためにはさらに高速なFTTHが必要になる。しかし、デンマークやスロベニア、韓国、日本といったブロードバンド先進国と比較するとまだまだ米国内のFTTH普及は進んでいないとして、教育や文化のよりよい発展のためにFTTHは欠かせないとその必要性を訴えた。

 先ほども紹介したように、今回の基調講演でも多数の新製品が発表された。まず最初に登場したのが、27インチワイド液晶ディスプレイ「UltraSharp 2707WFP」だ。最大解像度は1920×1200ドットで、一般的な液晶ディスプレイがNTSC比72%の色再現域しか持たないのに対して、UltraSharp 2707WFPは92%と圧倒的な色再現域を特徴とする。そのほか、応答速度は6ミリ秒、コントラスト比は1000:1、ダイナミックコントラスト比は3000:1で、豊富な入出力端子を搭載して動画や写真、ゲームといったありとあらゆる用途に柔軟に対応し、デジタルホームエンターテイメントを実現するとデル氏は語った。

 続いて、さらなるパフォーマンスを追及し続けるエンスージアスト向けゲーミングプラットフォームとして、デスクトップPC「XPS 710」とノートPC「XPS M1710」が紹介された。なかでもXPS 710の「H2C Edition」は、出荷状態で3.46GHzにまでオーバークロックされたCore 2 Extreme X6800、または3.2GHz駆動のCore 2 Extreme QX6700が選択可能で、従来の2倍の冷却性能を実現した特許申請済みの冷却システム「H2Cクーリング・システム」が採用されている。H2Cクーリング・システムは、水冷方式と空冷方式を組み合わせることで水冷方式で起こりやすい結露を防ぐほか、静音性を高めることにも成功している。そのほかのスペックは、GeForce 8800 GTX(SLI構成も可能)に、最大で4基、容量にして2テラバイトのHDDなどが用意されている。

27インチワイドフラットパネル液晶ディスプレイ「UltraSharp 2707WFP」
工場出荷状態でオーバークロックされたCore2 Extremeが選択できるXPS710 H2C Edition
独自のH2Cクーリング・テクノロジーにより従来の2倍の冷却性能を持つ

 新しいXPSシリーズが登場したところで、Blizzard Entertainmentのゲームデザイン部門バイス・プレジデント、ロブ・パルド氏が登場し、同社の人気MMORPG「World of Warcraft」最新拡張パック「Burning Crusade」のデモムービーが上映された。DellはWorld of Warcraftのグラフィックスを天板部分にあしらった特別モデルのXPS 710とXPS M1710をリリースするほか、豊富なオプションを搭載したゲーマー向けXPS 710とUltraSharp 2707WFPをセットにした機材をWorld of Warcraftクイズの正答者5名にプレゼントすると発表した。

 今回の基調講演では、2006年にDellの子会社となったALIENWAREのCEO、ネルソン・ゴンザレス氏が登壇し、ALIENWAREブランドから発売される「Area-51 m5750」を紹介した。17インチ液晶ディスプレイを備えたノートCで、Core 2 Duoとコンボドライブを搭載し、また、NVIDIA SLIに対応するのが最大の特徴だ。BTOオプションには、TVチューナーやデュアルHDD構成、RAID 0/1などが用意されている。また、同社のホームメディアセンターPCの第2世代となる「Hanger 18」も披露した。ホームユーザー向けマルチメディアサーバとして発売が予定されている同製品は、OSにWindows Vista Home/Premium/Ultimateを採用するほか、CPUはAthlon 64 X2、HDDは最大1.5テラバイト、HDMI端子、フルHD動画再生機能、1チャンネルあたり200ワットのアンプリファイド音声出力などを備えている。

美麗なグラフィックを駆使した「World of WARCRAFT」のデモムービー
World of WARCRAFTのグラフィックをあしらった「XPS M1710」
ALIENWAREのCEO・ネルソン・ゴンザレス氏と「Area-51 m5750」「Hanger 18」

 基調講演では新製品の発表のほかに、Dellがユーザーのために取り組んでいる取り組みとして、オンラインサポートツール「Dell Support Center」や「Dell Connect」を導入することでカスタマーサービスの向上を行った結果、過去18カ月間で北米地域ではフリーダイヤルへの電話が83%減ったほか、電話の待ち件数は38%にまで少なくなり、顧客満足度が10%上昇したとしている。Dell Connectは現在までに320万件のサポートを行っていて、利用者の93%がトラブル解決に役立っていると答えている。

 基調講演で恒例の有名ゲストには、俳優のマイク・マイヤーズ氏が同氏出演の大ヒット映画「オースティン・パワーズ」シリーズのDr.イーブルの姿で登場。新しいPCが欲しいけれど、店頭に出向いたセットアップしたりするのは面倒というわがままなDr.イーブルにデル氏が独自のデータバックアップ/復元ツール「Dell DataSafe」を使って新しいPCに簡単に移行させて満足させるというコントを演じて観客を楽しませるなど、サポートやサービスの品質の高さを印象づけようとしていた。それを裏付けるように、スピーチの最後には2006年のTIME誌の「Person of the Year」に不特定多数の「You」が選ばれたことを引き合いに出し、2007年のDellはユーザーが主役となった製品作りを行っていきたいと締めくくった。

Dellのオンラインサポートツール「Dell Support Center」
マイク・マイヤーズ氏が扮するオースティン・パワーズのDr.イーブル
Dell DataSafeを使えば簡単にデータの移行が可能なのだ

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