そして、23時59分、各ショップの店頭でカウントダウンの大号令が起こり、同じ数のくす玉が割られた。いっせいにVistaの受け渡しが始まり、威勢のいい呼び声が響く。なお、先行会計でみるかぎり、どこのショップでも一番人気はUltimate(またはUltimate α)だった。某ショップは「Home Premiumも多少は売れるでしょうが、ほかのバージョンは一切眼中にないです。Ultimateをどれだけ売るか、ですね」と話す。
以上のように、イベントは盛況だったが、笑顔でコメントする店員さんからは「大成功!!」の声は返ってこなかった。皆口をそろえて「予想通り」というコメント。
某ショップは「これまでの深夜販売と違い、今回はマイクロソフトをはじめとしたメーカー各社様に強力なサポートをいただきました。事前告知も十分に行えたので、最大限の結果が得られたと思います。……ただ、Windows 98の頃と比べると潜在層がどうしても少ない。これ以上の売り上げや盛り上がりは、今後も望めないですね」と話す。
また、「Core 2 Duoの時よりも5倍の規模で盛り上げた」と自負するドスパラ秋葉原本店は「十分な出来でしたが……できれば、それ以上の盛り上がりが欲しかったかも」と正直な気持ちを吐露した。このほか、深夜販売に参加しなかったショップからは「結局注目されるのは規模の大きな店舗だけで、うちがあえて参加するメリットはない」という声もあり、アキバ全体が同じ方向を見ているわけではなさそうだ。
深夜販売では断トツで売れた限定パッケージ「Ultimate α」も、先行会計では売れ残るショップが多く、筆者も取材後に余裕をもって購入できた(しかも2本目を)。盛りだくさんのイベントや特価品の数々など、豪華キャンペーンの恩恵にあずかれたユーザーには美味しい祭りとなったが、これはメーカー及びショップ側の“十分すぎた”タイアップの結果ともいえる。今後アキバで行われる深夜販売が売り手にとっても「大成功!!」となるよう、Windows Vistaが自作層への活性剤になることを期待したい。
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