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PDFで日本のモノ作りを支援します――アドビ「Acrobat 3D Version 8」(1/2 ページ)

» 2007年05月15日 18時30分 公開
[ITmedia]

Acrobat 3Dも「Acrobat 8」ファミリーの一員に

Acrobat 3D Version 8日本語版

 アドビシステムズは5月15日、3次元CADデータの変換に対応したPDFドキュメント作成ソフト「Acrobat 3D Version 8」日本語版を発表した。ラインアップは通常版(アドビストア価格13万5870円)をはじめ4製品あり、6月中旬から提供が開始される予定だ。また、同社のWebサイトでは無償体験版も用意する。

 対応OSは、Windows 2000(SP4)/XP(SP2)/XP Professional x64 Edition/Vista(32ビット/64ビット)で、Office 2007にも対応する。ちなみに、同社はAcrobat 8 ProfessionalおよびAcrobat 8 Standardのユーザーに向けて、VistaやOffice 2007に対応するAcrobat 8.1への無償アップデータを5月下旬にWebサイトで公開する予定だ。

 Acrobat 3D Version 8は、2006年1月に登場した「Acrobat 3D」の後継製品。今回のバージョンアップにより、PDF作成ソフト製品群「Acrobat 8」ファミリーの最上位に位置する製品となった。「Acrobat 8 Professional」の全機能に加えて、主要なCADアプリケーションで作成した3DデータをPDFファイルに変換できる機能を持つ。

 一般企業向けのAcrobat 8 Professionalに対して、Acrobat 3D Version 8は主に製造業企業向けに提供される。Acrobat 3D Version 8を製造業で使うことで、設計部門以外のCADを利用しない従業員や社外の関係者でも、3次元CADデータを含む技術情報をセキュアなPDFファイルとして共有でき、3Dモデルを回転やズームしながら閲覧したり、注釈の付与などの共同作業が行えるようになる。フリーソフトのAdobe Readerで3次元データが入ったPDFファイルを閲覧できるのもポイントだ。

 新バージョンの大きな特徴は、3次元CADデータを1%以下に圧縮する高圧縮率の3Dファイルフォーマット「PRC」に対応したこと。加えて、変換可能なCADデータのサイズを従来版の約500Mバイトからギガバイトクラスまで拡張したため、より大容量のCADデータが扱えるようになった。

 また、製品製造情報(PMI)の入ったCADファイルをPDFに変換して表示する機能や、PDFからジオメトリ情報を抽出してSTEP/IGES/ParasolidといったCADファイルに書き出す機能が追加されている。バージョンアップにともない、Autodesk Inventor、Dassault Systemes CATIA、PTC Pro/ENGINEER、SolidWorks、UGS NXとI-deasなどの主要なCADアプリケーション、40種類以上のファイルフォーマットから3次元PDFへの変換をサポートした。

製造業のワークフローにおけるAcrobatファミリーの活用例(写真=左)。3次元CADファイルは、Acrobat 3D Version 8のアイコンへのドラッグ&ドロップ、もしくはコンテクストメニューからPDFに変換できる(写真=中央)。CADファイルの製品製造情報(PMI)をPDF内のアセンブリツリーに直接表示できるようになった(写真=右)

ラインアップと価格
製品名 アドビストア提供価格
Acrobat 3D Version 8 通常版 13万5870円
Acrobat 3D Version 8 アップグレード版(A) 4万320円
Acrobat 3D Version 8 アップグレード版(B) 7万4445円
Acrobat 3D Version 8 アカデミック版 4万320円
アップグレード版(A)の対象ユーザーはAcrobat 3D日本語版の正規登録ユーザー、アップグレード版(B)の対象ユーザーは、Acrobat 6.0 Professional、Acrobat 7.0 Professional、Acrobat 8 Professional日本語版の正規登録ユーザー



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