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» 2007年05月16日 16時30分 公開

ホームビデオ編集もHDの時代へ:HDVもAVCHDもコレ1本で軽快編集――「VideoStudio 11」を試す (1/4)

「VideoStudio」は低価格ビデオ編集ソフトの代表格。最新版では待望のAVCHDに対応し、ハイビジョン編集がより身近なものになった。

[都築航一,ITmedia]

AVCHDカメラからの入力にいち早く対応

 民生用のデジタルビデオカメラは、2003年に登場した日本ビクターの「GR-HD1」以来、ハイビジョン(HD)化が確実に進み、ユーザー数もここ数年で急増している。しかし、そのHDカメラで撮影した映像を個人のPCで編集しようと思うと、ハード、ソフトともに成熟したDV編集のようにはすんなりいかない。

VideoStudio 11は6月15日発売予定。通常版が1万5540円、乗り換え版が1万290円、アップグレード版が8379円、アカデミック版が8190円、ダウンロード版が9324円、アップグレードダウンロード版が7329円だ

 HDVカメラに対応したビデオ編集ソフトはかなり増えたものの、登場して間もないAVCHD方式のビデオカメラについては、対応ソフトがまだまだ少ないのが現状だ。こうした状況の中、AVCHD対応をうたう編集ソフトとして新たに名乗りを挙げたのが、インタービデオジャパンの「VideoStudio 11」だ。

 VideoStudioシリーズは、低価格なビデオ編集ソフトとしては代表的な存在と言える。この価格帯の製品はライバルが多いため、ビデオ編集の入門者でも迷わず使える分かりやすさはもちろんのこと、機能や使い勝手のブラッシュアップも常に要求される。さらに、Windows Vista Home PremiumやUltimateでは、HDVに対応したビデオ編集ソフトが標準で搭載されるに至り、市販ソフトとして価格以上の価値をアピールする必要も出てきた。

 VideoStudio 11は今回のバージョンアップでAVCHDへの対応を果たし、一足先にジャストシステムとカノープスから発売されたHDV/AVCHD両対応(AVCHDは無償提供のユーティリティで対応)のビデオ編集ソフト「エディウスJ」を追撃する形だ。また、サイバーリンク トランスデジタルのビデオ編集ソフト「PowerDirector 6 Vista」に関しても、AVCHD対応モジュールを後日配布する予定としており、AVCHDの家庭における編集環境は少しずつ整いつつある。

 ユーザーにとって選択肢が増えるのは喜ばしいが、価格や機能が似通っているだけに、いくら低価格とはいえ、どのソフトが自分にとって使いやすいかを見極める必要があるだろう。ここでは、VideoStudio 11で追加された新機能を中心に、実際の使い勝手やライバル製品との違いについて報告しよう。発売日は6月15日ということで、今回使用したのは製品版に近いβ版になるため、実際の製品と一部仕様が異なる可能性があることを最初にお断りしておく。

 なお、同社では、DVD-Video形式での保存に特化したオーサリングソフト「DVD MovieWriter 6 SD Edition」を一足先に発売しているが、こちらもHDVやAVCHDの映像を素材として扱うことが可能だ。最終的な保存の手段はDVD-Videoだと決めているユーザーは、併せて検討するとよいだろう。

作業の簡易さで選べる3つのモード

 VideoStudio 11は、さまざまなビデオ編集が行える「標準モード」に加えて、「おまかせモード」および「クイックDVDウィザード」という合計3つのモードを備えており、最初に利用したいモードを選ぶ必要がある。標準モードでの作業の流れは、画面上部に設けられたタブを左から右へと順番に切り替えながら、キャプチャから動画編集、書き出しまでが行えるという、VideoStudioシリーズでおなじみのスタイルだ。全体的な画面の構成は前バージョンを踏襲しており、ビデオ編集ソフトとして一般的な操作系になっている。

VideoStudio 11を起動すると最初に現れる画面(写真=左)。ここで自分の行ないたい作業に応じて3つのモードから選ぶ。HDカメラやDVのワイドモードで撮影した素材を編集するときは、左下の「16:9」にチェックを入れる必要がある。通常モードで編集中の画面(写真=右)。左上に編集中の画面や素材の再生に使うプレビュー、その右には、素材の一覧やエフェクトの一覧などを切り替えて表示させるライブラリウィンドウと、エフェクトの設定内容を変更したりする場合に使うプロパティウィンドウが並ぶ。プロパティウィンドウは非表示にすることも可能だ。画面下半分には、映像の順番や位置などがストーリーボードもしくはタイムラインの形で表示される。画面はタイムライン表示だ

 おまかせモードは、あらかじめ用意された複数のテンプレートから好きなものを選ぶだけで、映像や音声に対するエフェクトの設定を自動化できる点が通常モードとの違いだ。もちろん、HDVやAVCHDの映像も利用できる。最大で7本のビデオトラックを駆使しながら、手作業では面倒な効果を自動でセットしてくれるし、気に入らない部分は、通常モードに移行して好きなように修正することもできるので、試してみると面白いだろう。

おまかせモードでは、素材となる映像を順番に並べてから、全体に対してエフェクトを自動でかけるという手順をとる。映像を読み込む画面は、通常モードよりも分かりやすい表示でとっつきやすい(写真=左)。ビデオカメラからキャプチャしたり、PC上のファイルを読み込んだりして、画面下に素材を並べたら、画面右下の「次へ」ボタンをクリックして、エフェクトの設定を行なう。といっても、多数のテーマテンプレートから、気に入ったものを選ぶだけで作業は完了だ。このまま作品をファイルとして出力してもよいし、DVD-Videoに保存することもできるが、さらに編集を続けたい場合は通常モードに移行するとよいだろう。エフェクトを適用した状態を通常モードで確認しているところ(写真=右)。1つのクリップを6分割してそれぞれをゆらしながら表示するという効果が、作品の冒頭に付けられていることが分かる

 最後のクイックDVDウィザードは、DVテープの映像を手早くDVD保存することに特化したモードで、わずかな作業でDVDーVideoを作成できるというものだ。DVテープ以外のメディアには対応していないが、HDVカメラに限ってはけっこう便利なはず。というのも、カメラ側で「DV変換」を有効にしてPCに接続すれば、HDVの素材でもSD画質にダウンコンバートしてクイックDVDウィザードの機能をすべて利用できるからだ。

 単にテープの映像をDVD化したいだけなのに、HD対応ビデオカメラを買ったばっかりに面倒くさくなってしまった、と感じているHDVカメラのユーザーにとって、クイックDVDウィザードは非常にありがたいモードだろう。しかも、HDのまま編集したい場合は通常モードやおまかせモードを使えばよいわけで、3つの選択肢が用意されているのは、VideoStudio 11の大きな魅力といえる。

クイックDVDウィザードでは、最初にDVテープを再生(スキャン)させて、必要なシーンを選択する。スキャンが完了すると、撮影日時や映像の内容によって映像が分割された状態で表示される(写真=左)。この作業は通常モードの「DVテープをスキャン」と同じで、画面構成も同一だ。シーンの選択ができたら、画面右下の「次へ」ボタンをクリックして、おまかせモードのテーマテンプレートと同様のエフェクトをかけ、DVDメディアに保存する(写真=右)。ここで「書き込み」ボタンをクリックすると、初めてDVテープからPCへのキャプチャが行われ、続いてエフェクトの設定、MPEG-2へのエンコード、そしてDVDへの書き込みまでが自動で処理される

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