日本HPが大判インクジェットプリンタ「HP Designjet」3シリーズ10モデルを投入、あわせてパートナー支援制度を展開することで、グラフィックスアート市場でのシェア拡大を図る。
5月29日の発表会では、HPアジアパシフィック イメージング・プリンティング・グループ グラフィックスアートビジネス担当副社長 VS ハリハラン氏が同社のグラフィックスアート分野における世界戦略を述べた。
同氏は23年間に及ぶHPプリンタの歴史に触れ、今のHPは切手からビルのラッピングまであらゆるものに印刷できるとし、「家庭やオフィス、フォトプリンタ以外のグラフィックスアート印刷の市場規模は41兆ページを超えるが、そのうちデジタル化されているのはまだ6%にしかすぎない」と、同分野における市場成長の可能性を指摘。今後も継続した投資と製品ラインアップの強化によって、グラフィックスアートで市場シェアNo.1を目指すとまとめた。
続いて日本HP 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野 元氏が、同社のイメージング・プリンティング事業の戦略と大判インクジェットプリンタのグラフィックス市場戦略について言及した。
まず、イメージング・プリンティング事業の戦略については、マレーシアのクアラルンプールにあるペトロナスツインタワーの写真を例に「ツインタワー戦略」を解説した。サーバやワークステーションと言ったベースインフラを基に、コンシューマーや中堅企業、SOHO向けのPCやプリンタなどが中心の“ボリュームビジネスタワー”と、エンタープライズやグラフィックスアート、ラッピングなどの“バリュービジネスタワー”という2つのビルに、それぞれを結ぶスカイブリッジをオンラインフォトサービスやバックエンドを支える分野の“タワー強化ブリッジ”に例え、「あらゆる人々に満足してもらえるプリンティング事業を展開していく」と語った。
一方、大判インクジェットプリンタの市場戦略は、デジタル化が進んでいるクリエイティブ分野に注目し、中でも出力サービスや大型ラッピングなどを行っているプリント・サービス・プロバイダーと、カメラマンなどのプロアーティストを中心としたグラフィックス分野とともに、絵画や写真といった芸術作品の高精細な複製を行うデジタルファインアート分野への取り組みを強化するとした。
具体的な取り組みとしては、幅広い製品ラインアップの展開と最新デジタル・テクノロジーの提供を行うだけでなく、「デジタルファインアート市場を牽引すべく、2007年7月より販売店向けに“グラフィックス販売パートナー制度”を開始するほか、フォトラボや出力ショップ向けに“デジタルファインアート プロダクション・パートナー制度”を展開する」と述べた。
今回投入される大判インクジェットプリンタは、プリント・サービス・プロバイダーおよびクリエイティブ市場向けのハイエンド機「HP Designjet Z6100」シリーズ4モデルと、CADなどのテクニカル向けの普及機「HP Designjet T1100」シリーズ4モデル、「HP Designjet T610」シリーズ2モデルだ。
最後に、挽野氏は「これらの方策によって、2008年までに国内の大判プリンタ市場すべてでシェアNo.1の獲得を目指す」と目標を語った。
各モデルの価格と出荷時期は下記の通り。
HP Designjet Z6100シリーズ(6月下旬発売予定) | |
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HP Designjet Z6100ps 60inch | 270万9000円 |
HP Designjet Z6100ps 42inch | 207万9000円 |
HP Designjet Z6100 60inch | 228万9000円 |
HP Designjet Z6100 42inch | 176万4000円 |
HP Designjet T1100シリーズ(6月下旬発売予定) | |
HP Designjet T1100ps 44inch | 115万2900円 |
HP Designjet T1100ps 24inch | 94万2900円 |
HP Designjet T1100 44inch | 94万2900円 |
HP Designjet T1100 24inch | 73万2900円 |
HP Designjet T610シリーズ(7月下旬発売予定) | |
HP Designjet T610 44inch | 45万9900円 |
HP Designjet T610 24inch | 33万3900円 |
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