1320cには情報表示用のモノクロ液晶や十字キーなどが搭載されていないため、詳細設定を本体だけで行うことはできないが、前面の上部にはContinueボタンとCancelボタンが配置されている。Continueボタンは手差し印刷(両面印刷含む)時と長押しでのリポート印刷時に利用し、Cancelボタンは文字通り、印刷ジョブをキャンセルするときに利用する。それ以外は、LEDによって給紙トレイや各色トナーの状況が判別できるようになっている。
本体だけで各種設定が行えない代わりに、PCにツール類を導入することで詳細な情報表示や設定が可能だ。PCに「Status Monitor Console」と呼ばれるツールを導入すると、PCから印刷できる同社のプリンタ一覧を表示し、そこから各種設定が行える。
インタフェースは標準でUSB 2.0を用意するほか、オプションのネットワークアダプタによる100BASE-TX/10BASE-T接続での運用が可能だが、Status Monitor ConsoleではUSB接続とネットワーク接続の両方のプリンタの状態をチェックできる。デルおなじみの「消耗品管理システム」により、トナーの注文などをオンライン経由で手軽に行えるのは便利だ。
設定可能な項目は多岐にわたる。プリンタ情報の表示、各種部分のチェック、節電移行時間といった基本的な項目に加えて、カラートナーの印刷位置調整、用紙による定着ユニット(フューザー)温度や2次転写電圧(BTR電圧)の変更、不揮発メモリ(NV=Nonvolatile)クリアなど、通常の運用では設定不要と思えるような深い部分まで設定できるのはユニークだ。
また、ネットワークアダプタを利用した場合、Webブラウザからネットワーク経由でアクセスしてプリンタの管理や各種設定が行える。Status Monitor ConsoleでもWebブラウザ経由でも詳細な設定が可能になっており、付属のツールを導入してこそ1320cの真価が発揮できると思ってよい。
プリンタのセットアップは、Flash Player 8を利用した「簡単セットアップナビゲーター」という動画付き解説機能によって、初心者でも簡単に接続できるように配慮されている。プリンタドライバの導入はウィザード形式により、USB接続とネットワーク接続の両方でセットアップが可能だ。今回はネットワークアダプタを装着し、Windows Vistaの環境に導入してみたが、とくに問題なく利用できた。
ただし、ネットワークセットアップ時には少し気になるところがあった。セットアップ時にプリンタを検索して表示するのだが、プリンタに割り当てられたIPアドレスが変更された場合、再度付録CDからセットアップを実行して検索しないと、変更されたIPアドレスを見つけることが難しくなってしまうのだ。ネットワーク環境の変更などがあった場合を考慮し、ネットワーク上のプリンタ検索ツールなどを用意してほしかった。
プリンタドライバはタブを切り替えながら設定する仕様で、ビジネス用途に必要十分な機能を持つ。「グラフィックス」タブでは、カラー印刷時の各種設定を細かく指定できる。プリセット設定(おすすめ、ICM調整、CMS調整、色変換しない)の選択や、明度、コントラスト、彩度などの個別調整が可能だ。「自動モードのあいまい判定」という項目にチェックを入れることで、モノクロ画像を自動的に判断して出力してくれる。
印刷の解像度を明示的に指定する場合は、「グラフィックス」タブではなく「詳細設定」タブから行う。今後はできれば「グラフィックス」タブから解像度指定を行えると、より便利になるだろう。
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