今回の試用機は、シングルコアのCeleron 420(1.6GHz)に、デュアルチャネルで1Gバイトメモリ、80GバイトのHDD、DVD-ROMドライブと、ほぼミニマムに近い構成に、Windows Vista Home Basicを組み合わせたものだ。BTOでまだまだ多機能、高機能にもできるが、一般的なビジネスユースや家庭でのインターネット利用であれば、必要十分と言える。本機の基本性能をチェックするという意味でも悪くない構成だろう。
まず、Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は3.4。これはゲームグラフィックスのスコアだ。グラフィックスとプロセッサも3点台のスコアだが、メモリは4.5、HDDにいたっては5.7となっており、Windows Vistaの快適利用にはまったく問題のないレベルと言える。今回はHome Basicエディションのため、Windows Aeroの動作チェックは行えていないが、スコアを見る限りなんら問題はなさそうだ。
一方、PCMark05は2000弱というスコアにとどまったが、これは試用機のOSが2Dグラフィックスアクセラレーションを利用できないため、特にグラフィックスのスコアが低迷していることも影響しているだろう。これに対して、体感速度への影響が大きいHDDのスコアが5000と高い点は注目だ。実際、Webブラウズやオフィススイートの利用では、試用機の構成でもまったくストレスを感じなかった。
3DMark06とFFベンチの結果はさすがにふるわないが、これは試用機のCPUと製品の位置付けを考慮すれば妥当というレベルだ。
静音性に関しては、従来通り優秀。CPUクーラーには9センチファンの製品が使用されており、(CPUがCeleronということもあると思うが)アイドル中からベンチマークソフト実行中まで、ほとんど動作音が気になることはなかったし、回転数の変化は見られなかった。BIOS設定画面でのモニタリングでは、回転数がだいたい900rpmで、ここから大きくは変わらないようだ。
本機はグラフィックスチップが実質チップセット内蔵のみとなり、高度な3Dビジネスグラフィックスや3Dゲーム用途などには向かない。ただし、この点を除けばCPUの選択肢は幅広く、さまざまな使い方にも対応できるし、液晶ディスプレイの低価格化でめずらしくなくなったデュアルモニタ環境も標準でサポートしている。標準構成でRAIDを構築することはできないが、HDDが2台まで内蔵できるようになったことで、ちょっとしたサーバ利用への適応度も増した。企業での大量導入であればメンテナンス性のさらなる向上も大きな魅力になるはずだ。
もちろん、同社ならではの手厚いサポートも健在。1年間の無償保証は当然として、3年のパーツ保証も標準となっており、リーズナブルながら長期利用も安心だ。導入・運用コストを重視されることが多いビジネスユースはもちろんのこと、インターネット利用が中心のいまどきの個人利用でも魅力的なコンパクトデスクトップPCと言える。
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