第6回 光ディスクの製造工程 その2──ディスク成型からパッケージまで:新約・見てわかる パソコン解体新書(1/4 ページ)

» 2007年11月26日 11時11分 公開
[大島篤(文とイラスト),ITmedia]

 前回は光ディスク製造のための前段階となるスタンパーの製造工程を動画を交えて解説しました。今回は、スタンパーからディスクを作り、記録可能なDVD-RおよびDVD-RWメディアとして完成するまでの工程を解説します。また、メディアの品質を決めるポイントについても触れましょう。


 プラスチック(合成樹脂)は、軽く、強く、安い、大変優れた素材です。300度弱の温度で溶融し、その状態で型の中に流し込むことで同じ形の製品を大量生産できることが大きな特徴と言えます。

 プラスチック製品は、下図のような射出成型機というものを使って製造されます。ここに示したのは光ディスク製造用の射出成型機で、光ディスクを高速に高精度で製造するための独特のチューニングが施されていますが、外観と基本構造は一般の射出成型機と変わりません。ちなみにお値段は2000万円以上もします。


 射出成型機内部の基本メカニズムを描き出したのが下の図です。成型の主役は金型(かながた)という金属製の型です。一般のプラスチック製品用の金型の場合は、製品の形状が彫り込まれているのですが、光ディスク用金型の場合は、その表面にスタンパーを装着するようになっています。

 金型は、流し込んだプラスチックの温度が下がって硬化したあとに、製品を取り出せるように2分割されていています。片方の金型は装置に固定されていて、もう片方の金型はモーター(または油圧)の力で移動するようになっています。スタンパーは、一般に固定金型側に装着されます。


 下に示したのは、光ディスクの原材料である透明なポリカーボネート樹脂の小片で、ペレットと呼ばれます。ちょうどチョコベビーのような形と大きさをしています。ペレットは射出成型機のシリンダー内でスクリューによってかき混ぜられ、そのせん断力によって発熱し、溶融します(シリンダーの周囲にはヒーターがありますが、これは温度を制御するための補助的なものです)。


 ポリカーボネート樹脂は、透明度、強度、耐熱性、難燃性に優れ、数あるプラスチックの種類の中でも最も光ディスクの材料として適していると言われています。ただし、傷つきやすいのが弱点です。昔、レーザーディスクの材料として使われたことがあるアクリル樹脂は、透明度と傷つきにくさではポリカーボネート樹脂よりも優れているのですが、吸湿性が高く、水分を含むと変形しやすくなる難点から、現在は光ディスク用材料としては使われていません。

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