エプソンの複合機「マルチフォトカラリオ」からは、ハイエンドクラスの製品として「PM-T960」を選んだ。ラインアップ上は昨年発売された継続販売モデルの「PM-T990」が最上位となるが、PM-T960は今年発売された新モデルの中では最上位に位置しており、新型インクヘッドや「ナチュラルフェイス」機能を新たに採用している。実質、今年のフラッグシップ機だ。
さすがに機能は豊富で、インタフェースはUSB 2.0のほかに100BASE-TXの有線LANとIEEE802.11g/bの無線LANを標準装備し、ネットワークを経由したデジタルTVからの直接印刷機能「テレプリパ」にも対応。CD/DVDレーベル印刷や手書き合成印刷も可能だ。
インクは染料6色のPM-Gインク(つよインク200)で、前述した新開発の印刷ヘッドを搭載。給紙機構は前面カセットと背面フィーダのダブル給紙に対応し、自動両面印刷ユニットも標準装備とシリーズ随一の充実ぶりだ。スキャナとコピー用のイメージセンサは光学3200dpiのα-Hiper CCDII。35ミリネガ/ポジのフィルムスキャンにも対応している。35ミリスリーブは連続6コマ、35ミリマウントは連続4コマの読み取りが可能だ。
エプソンが自ら「迷ったらコレ!」とすすめるのが、ミドルレンジモデルの「PM-A840」だ。PM-T960と同様、前モデル「PM-A820」から印刷ヘッドや自動補正機能を強化してきた。ネットワークやフィルムスキャン、ダブル給紙、自動両面印刷などには対応しないが、CD/DVDレーベル印刷や手書き合成印刷は搭載している(ネットワーク機能はオプション)。液晶モニタのサイズは2.5インチだ。
染料6色構成のインクと新型インクヘッドを採用し、印刷品質は上位機に見劣りしない。給紙機構は背面からの1系統だ。イメージセンサは光学1200dpiのCISとPM-T960に見劣りするが、フィルムスキャンには対応していないため問題ない。ミドルレンジとしては、写真印刷に比重を置いた作りだ。
キヤノンのハイエンドが「PIXUS MP970」だ。従来モデル「PIXUS MP960」から高さを12ミリ、奥行きを32ミリ短くし、わずかながら設置性がよくなった。起動時間も短縮され、公称では電源投入から約6秒で立ち上がる。液晶モニタは変わらず、3.5インチのままだ。PIXUSの複合機としては唯一、100BASE-TXの有線LANとフィルムスキャン機能を標準装備している。
インクは染料6色に加えて、顔料Bkも採用した全7色構成だ。顔料Bkは普通紙印刷やコピーの黒い文字部分などに使われる。印刷ヘッドはPIXUS MP960とほぼ同じで、インク滴は1ピコ/5ピコリットルの2サイズだ。給排紙の機構は、使い勝手のよさで定評あるマルチペーパーハンドリングを継承。前面の給紙カセットと背面の給紙フィーダという2Way給紙に加えて、CD/DVDレーベル印刷、自動両面印刷も行える。手書き合成印刷もこなす。
スキャナとコピーのイメージセンサは光学4800dpiのCCDを搭載。対応フィルムは35ミリのネガ/ポジで、連続読み取りはスリーブが6コマ、マウントが4コマだ。
「PIXUS MP610」は、昨年のベストセラーモデル「PIXUS MP600」の後継機。起動時間を高速化し、公称で約4秒を実現した。2.5インチの液晶モニタや、前面と背面の2Way給紙、自動両面印刷、CD/DVDレーベル印刷といったマルチペーパーハンドリングを引き継いでおり、実用面では依然としてトップクラスだ。手書き合成印刷にも対応する。
プリントエンジンは昨年のミドルハイモデル「PIXUS MP810」相当に強化された。インクは染料4色(CMYBk)と顔料Bkの全5色構成で、1ピコ/2ピコ/5ピコリットルのインク滴を併用する3サイズドロップレット技術の採用などにより、印刷速度を向上している。それでいて、PIXUS MP810と比べて高さを38ミリ、奥行きを27ミリ削減してきた。PIXUS MP600と比べても高さは6ミリ短く、ミドルレンジクラスでは設置性が高い。スキャナとコピー用のイメージセンサは光学4800dpiのCISで、フィルムスキャンは非対応だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.