エプソンダイレクトから登場した「Endeavor NA103」は、2スピンドル構成のB5ノートPCだ。日々のモバイル利用にも対応できるコンパクトサイズと、1キロ台前半の重量を実現しつつ、無理のないユーザーインタフェースと光学ドライブを備えることで、メインPCとしての機能性を両立している。
そのキーコンセプトやデザインは、従来モデル「NA101」や「NA102」から継承したもの。本機はいわば「NA10x」シリーズの第3世代だ。今回の進化により、BTOで選択できるCPUが「Core Duo」から「Core 2 Duo」にパワーアップされ、キーボードやバッテリーといった使い勝手を大きく左右する部分もリファインされた。同社製品らしい、中身の濃い質実剛健なモデルチェンジだ。
外観からチェックしていくと、デザイン自体は先代の「NA102」からほとんど変更はない。カラーリングは、シルバーとブラックのツートンカラーを引き継いだモデルに加えて、新たにパールホワイトも用意され、2バリエーションになった。同社が限定モデルとして投入し好評を得ていた「ホワイトエディション」が定番化されたとも言える。またパールホワイトモデルは、全体がつや消し加工されたシルバー+ブラックとは対照的なカラーリングで、白を基調とした製品の多いオフィスにもマッチしそうだ。なお、パールホワイトモデルではCPUやバッテリーのBTOで一部制約があるものの、基本的にはBTOも自由に行えるようになっている。
見た目からは分かりにくいが、堅牢な設計も先代から継承している。携帯時にディスプレイを保護する天板は、マグネシウムの鍛造で凸加工することにより剛性感を出している。トップケースのキーボード周囲やボトムケースにはマグネシウム合金を採用し、堅牢さを確保しつつ、軽量化にもつなげている。右に2つ、左に1つとUSBポートは分散配置され、右の2つは間隔を開けて水平に配置することでコネクタの干渉を避け、同様にPCカードスロットとメモリカードスロットも水平に並べることで使用時の干渉を最小限に抑えている。こういった細かいところのユーザビリティは健在だ。
プラットフォームはIntel 945GMS Expressと先代モデルから変更はないが、CPUはCore Duo世代からCore 2 Duo世代に移行した。デュアルコアとして選択可能なのはCore 2 Duo U7600で、動作クロックや2次キャッシュはNA102のCore Duo U2500と同じだが、実質的にCPUの処理能力は向上している。シングルコアのCore 2 Solo U2200、Celerom M 523もCore 2世代となり、前モデルに比べてパフォーマンスは高い。
ディスプレイは1024×768ドット表示対応の12.1インチ液晶で、ドットピッチとのバランスにもまったく無理はない。メモリは512Mバイトを基板上に搭載し、DDR2 SO-DIMMソケットを底面側に1つ備える。BTOによりメモリ容量は1.5Gバイトまで拡張可能だ。HDDは最大160Gバイトの製品が用意され、光学ドライブはDVDスーパーマルチ、コンボのほかに「なし」も選択できる。グラフィックス機能はチップセット内蔵コアを使う仕様だ。このほか、有線LANとUSB 2.0、IEEE1394を標準装備し、802.11a/g/b対応の無線LANとV2.0+EDR対応のBluetoothモジュールをBTOで内蔵できる。
同社のノートPCではほぼ標準装備となりつつある指紋センサとTPM(セキュリティチップ)ももちろん搭載する。指紋認証はWindowsログインの自動化だけでなく、ユーザーアカウント毎に指紋を登録して、自動識別によるログインも可能。自分しか使わない場合でも、仕事用とプライベート用といった形でユーザーアカウントを指で切り替えられる。
この指紋センサは、WebブラウザでID/パスワード入力代わりに利用したり、ランチャーとして指に任意のプログラムを割りあてて起動させることもできるので、セキュリティ面だけでなく、利便性のメリットも大きい。また、TPMを装備することにより高度な暗号機能を利用できるのはもちろん、OSがWindows Vista Ultimateであれば、HDDを丸ごと暗号化する「Bit Locker」も利用可能だ。
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