それでは、CPUがCore 2 Duoに変更されたことで、どのくらいパフォーマンスが向上したのか検証していこう。
まず、Windows エクスペリエンス インデックスを見ると、最も低いサブスコアはグラフィックスの2.0で、これはNA102と同じ。ただし、CPUは4.2から4.4へアップしている。5.9点満点での評価だが、0.2のスコアアップはばかにはできない。
PCMark05のPCMarkスコアは2360となり、インターネットを利用したりオフィススイートを利用する分には不満を感じることはまずないパフォーマンスだ。主要4項目のスコアも、NA102と比較して着実に向上している。GraphicsだけはわずかにNA102が良好なスコアだが、その差は2であり誤差と言える範囲だ。
CPUに関連する項目をピックアップしてみると、「Audio Compression」「Video Encoding」「Text edit」「Image Decompression」の値はすべてNA102を上回っており、「Audio Compression」を除けば20%前後と大きな向上だ。なお、スコアは単位が異なるので、NA102を100%とした場合の相対的なスコアになっている。
一方、グラフィックス関連では、FFベンチ(Vana'diel Bench 3)のHighで20%以上の向上が見られた。グラフィックチップが変更されていないのだから、純粋にCPU処理能力の違いが反映されていると言える。
今回のEndeavor NA103は、よくも悪くもキープコンセンプトを受け継いだ形でのモデルチェンジであり、カラーバリエーションの追加をのぞけば、NA102と見た目上の変化はほとんどない。カタログスペックだけを見ると「CPUがCoreアーキテクチャからCore2アークテクチャ移行しました、以上」という程度のものだと思う人もいるだろう。実際、先代のNA102と比較すると、チップセットは共通で、CPUも動作クロックが同一なため、大幅にパフォーマンスアップを果たしたわけではない。
しかし、キーボードに触れて初めて気付くようなその進化は、まさに「熟成」と呼ぶべきものだ。かつてのドイツ車が8〜10年という長いモデルサイクルの中で毎年のように改良を重ね熟成を進めたように、見た目の変化はほとんどなくても、使い勝手は着実に向上し、完成度が高められている。NA103はノートPCとして派手な特徴を持つ製品ではないが、使い勝手とモビリティを高いレベルで両立したノートPCを欲する人にとって、非常に魅力的な製品であることは間違いない。
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