「1×4」か「2×2」か──ようやく実現した「4-GPU CrossFireX」を検証するイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2008年03月21日 11時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

消費電力で意外な側面を見せた「2×2」のCrossFireX

 4枚差しは自作PC魂を刺激してくれるが、現実に目を向けると、その構築コストはただならぬものがある。+D Shoppingで、Radeon HD 3870の価格を調べると、2008年3月半ばでおおよそ3万円前半から3万円半ばで落ち着いている。現実的な4-GPU CrossFireXとしては、やはり、Radeon HD 3870X2を2枚使うユーザーが多いだろう。同じように、+D Shoppingで価格を調べてみると、5万円後半から6万円前後の製品が多い。

 では、1×4枚差しと2×2枚差しとでパフォーマンスと効率に違いは出るのだろうか。そこで、Radeon HD 3870 X2を2枚使った構成とRadeon HD 3870を4枚使った構成とで、ベンチマークテストの比較を行ってみる。なお、性能向上の基準として、それぞれ、Radeon HD 3870X2を1枚組み込んだ構成、Radeon HD 3870を2枚組み込んだ構成で測定した結果も並べている。

コスト的には現実的なRadeon HD 3870 X2だが、それでも「2枚」を備蓄しているベンダーは少ない。そのため、このベンチマークテストの評価用システムでも別々のベンダーから調達した製品を組み合わせている。写真左のMSI「R3870X2-T2D1G-OC」はコアクロック850MHzとオーバークロックされている(メモリクロック900MHzと定格)。写真左はPowerColorの「3870 X2 1G GDDR3」で、こちらはコアクロック、メモリクロックともに定格設定のリファレンスデザイン準拠だ。

3DMark06 3DMark Score
3DMark06 SM2.0 Score

3DMark06 HDR/SM3.0 Score
3DMark06 Perlin Noise (SM3.0)

F.E.A.R.
Enemy Territory-QUAKE Wars Demo

Unreal Tornament 3 (vCTF-Suspense FlyThrough-PC)
Unreal Tornament 3 (DM-ShangriLa-FPS-PC)

Company of Heroes 2.130.0
Crysis 1.1 GPU_Benchmark

 多くのベンチマークテストで、デュアルGPUカードの形態をとるRadeon HD 3870 X2の結果がやや下回るものの、「1×4」構成と「2×2」構成にそれほど大きな違いはない。ならば、(“4つのGPU”にこだわるなら別だが)常識的なコストでできるRadeon HD 3870 X2の2枚組みで4 GPU CrossFireXを構築するのがコストパフォーマンス的にいいことになる。

 しかし、2×2構成のCrossFireXにも弱点がある。ハイエンドGPUとしては省電力に優れているRadeon HD 3870を1枚ずつ増やしていったとき、そして、Radeon HD 3870 X2を2枚差したときのシステム消費電力をワットチェッカーで測定した値が次のグラフになる。

ワットチェッカーで測定したシステム全体の消費電力

 このように、2×2構成のシステムは、3DMark03のGT4実行時においてピーク値が500ワットを軽く超えている。1×4構成も500ワットを超えているがその差は大きい。また、対応する電源ユニットの数がまだ少ない「8ピン」のPCI Express 外部電源コードを2本必要とする事情も、2×2構成のハードルを高くしている。

 プラットフォーム環境が異なるため、以前紹介した3-way NVIDIA SLIの構成とベンチマークテストの結果を直接比較することはできないが、2-GPUから3-GPUへのステップアップでも順調に性能を伸ばしたSLIと異なり、CrossFireXは枚数に見合った性能向上を見せているとはいいがたい。ドライバのチューニングによって改善される可能性があるとしても、正式に公開されたCatalyst 8.3で所定の性能が出せないのでは、2007年11月から期待して待ってくれていたユーザーの思いはどうなるのか。

 (AMDもそうだが)“ATI”ユーザーは、同社の製品を長く愛用している場合が多い。製品が発表されてからどんなに長く待たされても、出荷開始と同時に購入してうれしそうにしているユーザーも少なからず見ているが、そういう熱心なファンの期待を裏切らないことが、競争相手を出し抜くこと以上に大事なのではないだろうか。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月06日 更新
  1. Surface RT「歴史的大失敗」の裏で何が? エプスタイン文書が示すMS元幹部の焦りと情報漏えい (2026年02月05日)
  2. Western Digitalがブランドを「WD」に統一 100TB超の大容量化とSSDに迫る高速化技術のHDDも開発中 (2026年02月04日)
  3. デスクの前に座ってプレイできないなら、“ポータブルゲーミングPC”という選択肢はアリ? 元Switchユーザーが「ROG Xbox Ally X」を試したら (2026年02月04日)
  4. 「GeForce NOW」のクライアントアプリにLinux版(β)登場 「Ubuntu」に対応 (2026年02月05日)
  5. 「VAIO SX14-R」の“ふるさと”見学記 ノジマグループ参画後も進化が続く“物作り” (2026年02月05日)
  6. 外付け水冷2in1 PC「OneXPlayer Super X」の実機を見てきた TDP120Wの“爆速”AIワークステーション (2026年02月05日)
  7. TCL、“紙の質感”を重視した薄型軽量11.5型スマートノート (2026年02月04日)
  8. アイ・オーがUSB接続スリムBD/DVDライターの新モデルを投入 TV/チューナーのHDDに録画した番組をダビングできるアプリ付きも選べる (2026年02月04日)
  9. フロッピー世代に刺さるレトロなデザインが魅力の「Trozk モバイルバッテリー TP09U」が19%オフの8080円に (2026年02月05日)
  10. エレコム、旧型の法人向けコンセント型無線LAN機器に脆弱性 使用中止と買い替えを要請 (2026年02月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年