ナナオは5月21日、AV入力対応の24.1インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan HD2452W」を発表した。チタニウムシルバーとブラックの2色のカラーバリエーションを用意し、6月12日に発売する。価格はオープン、同社直販のEIZOダイレクトによる販売価格は12万9800円だ。
FlexScan HD2452Wは、2007年6月に発売された「FlexScan HD2451W」の後継機で、仕様を強化しつつ、販路を従来の直販に加えて、店頭に広げた製品だ。なお、FlexScan HD2451Wから一部の入力端子を省いた「FlexScan HD2441W」に後継機は用意されず、在庫のみの販売となる。
主な強化点としては、専用リモコンの付属、1080/24p(48Hz駆動)への対応、ゲーム向け機能の追加が挙げられる。FlexScanシリーズとしては初めて同梱される専用リモコンは、ディスプレイから離れた場所での音量調節や、映像入力の切り替え、スケーリング機能の変更、PinP機能の各種設定、カラー調整などが行える。従来モデルのPinP機能は、親画面と子画面の音声がミックスされて出力される仕様だったが、HD2452Wでは音声を出力する画面を選べるようになった(ミックス出力にも対応)。
1080/24p(48Hz駆動)への対応は2007年11月に発売された液晶TV「FORIS.HD」シリーズが搭載する機能と同様のものだ。1080/24p出力が行えるプレーヤーを接続して秒間24コマで制作された映画などの映像コンテンツを視聴する場合、プルダウン処理なしで秒間24コマの信号を再現することで、制作者の意図した映像の質感を追求できる。
ゲーム向けの機能としては、ボタンを押すタイミングが重視されるゲームタイトルの表示を想定し、AV入力時にI/P変換などの映像処理をスキップして画面表示までの遅延を通常時と比べて最大約2/60秒短縮するスルーモードを搭載した。スルーモードをオンにしたまま、スケーリング機能の変更や画質モードの切り替え、主な調整項目を設定することも可能だ。
また、AV入力時のゲーム向けスケーリング機能は、アスペクト比を16:9や4:3に維持したままでの拡大表示に加えて、ドットバイドット表示や、480i/pなど低解像度のゲーム映像を2倍に拡大して表示するモード、そしてビデオ出力対応の新型プレイステーション・ポータブル(PSP)から出力された解像度480×272ドットの映像を画面の横幅いっぱいに拡大表示する「ポータブル」モードが選べる。レターボックス表示や映像の端をカットした拡大表示にも対応する。
AV入力時の2倍拡大モードは、入力された映像をそのままの比率で拡大表示する「2×リアル」、アスペクト比4:3で拡大表示する「2×アスペクト4:3」、アスペクト比16:9で拡大表示する「2×アスペクト16:9」が指定できる。2倍拡大モードはPC接続時にも利用可能だが、2倍拡大しつつアスペクト比を指定するモードは備えていない。
用途別の画質モードが選べるFineContrast機能は、映像の暗いシーンが判別しやすくなる「ゲーム」モードを新設。それ以外のモードはPC入力時が「テキスト」「ピクチャー」「ムービー」「sRGB」「カスタム」、AV入力時が「スタンダード」「シネマ」「ダイナミック」「カスタム」となっている。AV入力時の画質モードは「ソフト」が「シネマ」に変更された。
画作りに関しては従来機と同様、FORISシリーズで培った映像処理技術を投入し、映像ソース本来の色調や滑らかさを忠実に表現するという画質のコンセプト「ナチュラルコンフォート」を採用しているが、シネマやゲームといった画質モードはチューニングを見直して表示品質の向上を図ったという。
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