5月23日、地上デジタルと地上アナログの両チューナーを搭載したピクセラの「PIX-DA022-PP0」が、複数のショップに入荷した。価格は2万8000円弱で、在庫はやや少数だ。
PIX-DA022-PP0は、地デジと地アナチューナーを1基ずつ搭載しており、裏番組録画や2番組同時録画に対応する。付属のソフトウェアでどちらの放送波も視聴可能。録画した地デジ番組のムーブやダビングには、後日のアップデートで対応する予定だ。対応OSはWindows Vistaのみとなる。
地デジ対応でマルチチューナーを駆使できる初のモデルとあって、発売前から複数の問い合わせを受けたと話すショップは多い。しかし、今のところは様子見のユーザーが大半で、ヒットにはほど遠い状態という。それはすべての地デジチューナーパーツに共通するところだ(関連記事:“自作で地デジ”に一筋の光?――アイ・オー vs バッファロー徹底比較)。
ある店員さんは「今、地デジチューナーには3つのハードルがあります。1つは、HDCP対応環境を構築しなければならないという周辺機器の問題。もう1つは、しばらくすればもっとよいモデルが登場するだろうという予想が蔓延していること。そして、これが決定打ですが、B-CASによる家電以上のコンテンツ制限です」。
現状、PC用の地デジチューナーカードで録画したデータは、CMカットなどの編集ができず、BD-Rにムーブできるのもバッファローの「DT-H50/PCI」のみ。DVDレコーダーなどに比べて、録画データの利用法が制限されているのは確かだ。そこでよくB-CASがやり玉に挙げられているが、根底には複雑な問題が絡んでおり、簡単には解決しない。
そこで、もし地デジ関連で1つだけ制限が解除されるとしたら何を望むかを、各PCパーツショップに聞いて回った。一部の店員さんから「んー、B-CASがなくなることかな」などと過激な発言も聞かれたが、一番多い回答は「編集制限の解除」だった。
フェイス PC館は「CMカットくらいできないと、好きな番組でもBD-Rに焼いて永久保存する気になれないですからね。スポーツ番組で、スタジオでのやりとりはいらないという人も多い。PCの場合、録画データの編集中に元データがバックアップされるという(地デジ上の)問題がありますが、何とかできないこともないでしょう」と語る。
また、「今暗礁に乗り上げいますが、ダビング10はそのうち認められるでしょう。それなら、外部ディスクを使うような方法で録画データの編集ができるかもしれない。そうなるといいですね」(クレバリー1号店)など、ダビング10の解禁と同時に自由度が増すことを期待する声もいくつかあった。
ついで「バックアップを認めてほしい」というコメントも多かった。T-ZONE.PC DIY SHOPは「今のままじゃ、PCのリカバリー後は録画データが見られなくなる。マイクロソフトだって、リカバリー後に同じキーを使うことを認めているわけですし、著作権保護との両立は不可能ではないでしょう」と話す。
予想以上に現実を踏まえた要望が多く、それだけ店員さんの切実さが感じられた。あるショップは「地デジチューナーが自作PC市場に与える影響は大きいですからね。売れ行きがかんばしくなくても、注目度は非常に高いんです。なんとか、コンテンツを自由に扱える環境がほしいですが……遠いですね」と歯がゆそうに語った。
製品名: | ピクセラ「PIX-DA022-PP0」 |
入荷ショップ | |
ドスパラ秋葉原本店 | 2万3800円 |
クレバリー1号店 | 2万4963円 |
パソコンショップ・アーク | 2万7780円 |
TSUKUMO eX. | 2万7800円 |
T-ZONE.PC DIY SHOP | 2万7800円 |
BLESS秋葉原本店 | 2万7800円 |
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