“自作の新時代”を告げるパーツが並んだ6月のアキバ5分で分かった気になる、6月のアキバ事情(1/4 ページ)

» 2008年07月02日 11時59分 公開
[古田雄介,ITmedia]

mini-ITXをメジャーに押し上げる「Atom」の存在

 6月初旬から後半まで、再入荷と売り切れを繰り返して好調に売れているのが、低消費電力CPU「Atom」を搭載した初のマザーボード「D945GCLF」だ。初回は8000円前後で販売するショップもあったが、6月末現在はやや価格が上がり、9000〜1万円前後で出回っている。

 D945GCLFは、チップセットにi945GC+ICH7を採用したmini-ITXマザー。動作クロック1.6GHzの「Atom N230」を基板上に実装し、ノースブリッジクーラーのみにファンを付けている。mini-ITXサイズのマザーは工業向けを転用したものが多く、ニッチなインタフェースを搭載することもザラ。しかし、D945GCLFはIDEやSerial ATA、DDR2用のDIMMスロット、PCIスロットを備えており、一般的なデスクトップPC向けパーツが利用できるという特徴を持つ。また、4〜5万円の製品がめずらしくない同サイズのマザーにおいて、1万円以下の安さを実現した点も見逃せないところだ。

インテル「D945GCLF」(写真=左/中央)。6月中旬以降、併行輸入版(右)と国内正規版(左)が並んでいる(写真=右)

 劇的なコストパフォーマンスが受けて、初回入荷分は1〜2日で売り切れ、当時は再入荷は7月以降という予測が大半を占めていた。しかし、中旬頃に並行輸入版が出回りはじめ、アキバ中を探し歩けば、どうにか入手できる状況にまで回復。その後は、わずかな国内正規版と併行輸入版がごく少数出回っている。

 BLESS秋葉原本店は「併行輸入版は取説などが英語ですが、モノ自体はまったく同じです。今までmini-ITXを敬遠していたユーザーも興味を持っているようで、同ジャンルでは異例の人気を誇っています」と話す。クレバリー1号店も「セカンドマシンやファイルサーバー用に購入する人が多いようですね。タンスにしまっていた古いパーツを活用してマシンが組めるのも好評です」と、好調な売れ行きに満足しているようだった。

 なお、BLESS秋葉原本店は、早くて7月初旬にギガバイト製のAtomマザーを入荷する予定。D945GCLF同等の価格が予想されており、mini-ITXマザーブームを後押ししそうだ。

※T-ZONE.PC DIY SHOPは、D945GCLFを使ったデモ機を展示している。上の動画は作者である森田氏に、D945GCLFの人気や入荷状況、自作のポイントなどを聞いたもの。

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