新型ボードPC「FMV-DESKPOWER F」はユーザーを“解放”するか:富士通謹製フリースタイルPC(1/2 ページ)

» 2008年08月07日 16時16分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

富士通が放つボードPC「FMV-DESKPOWER F」

「FMV-DESKPOWER F/A50」

 2008年夏モデル第2弾で「FMV-TEO」と「FMV-DESKPOWER LX」をリリースした富士通だが、夏モデル第1弾の目玉製品としてリリースされた新シリーズが、「FMV-DESKPOWER F」だ。すでにフォトレビューをお届けしているが、製品版を入手できたので早速使い倒してみた。

 昨今、デスクトップPCの主力はセパレート型から液晶一体型に移行しており、各社とも液晶一体型デスクトップPCのバリエーションを増やしている。中でも注目は、ノートPCのアーキテクチャを使うことでスリムなボディを実現した、いわゆる「ボードPC」だ。国内PCベンダーではNECの「VALUESTAR N」シリーズ、ソニーの「VAIO type L」シリーズがそれであり、海外ベンダーでは日本ヒューレット・パッカードの「HP TouchSmart PC」シリーズ、デルの「XPS One」、そしてアップルの「iMac」などが該当する。共通しているのは、15.4〜24型クラスの大画面液晶ディスプレイを搭載しながらノートPC並みの省スペース性を確保しつつ、デザイン性を追求している点だ。

 これまで、富士通は19〜22型ワイド液晶ディスプレイやデジタルテレビチューナー搭載の「FMV-DESKPOWER LX」シリーズを中心に、19型ワイド液晶ディスプレイを備えながら省スペース性に配慮した低価格モデル「FMV-DESKPOWER EK」シリーズで液晶一体型デスクトップPCを発売していたが、2008年の夏モデルでついにボードPCの新モデル「FMV-DESKPOWER F」を投入してきた。後発だけに、前述のライバル機以上にデザインに気を配ったボディが特徴だ。表面にボタンなどを持たないフラットな仕様で、電源スイッチもタッチセンサとなっているのが目を引く。

富士通の液晶ディスプレイ一体型PCである「FMV-DESKPOWER LX」シリーズ(写真=左)と「FMV-DESKPOWER EK」シリーズ(写真=右)。いずれも19型液晶ディスプレイ以上のモデルであり、FMV-DESKPOWER Fは小型でデザイン重視のモデルと位置付けられる

円形スタンドを採用し省スペース性を強調

 FMV-DESKPOWER Fシリーズのコンセプトや製品名の由来はこちらの記事に詳しいが、スノーホワイトの柔らかい色合いに包まれたボディと、ステンレス製の金属感を強調したスタンドという構成が強い存在感を主張する。見た目は液晶ディスプレイそのもので、ボディサイズは394(幅)×180(奥行き)×307(高さ)ミリと16型ワイド液晶ディスプレイ搭載機としてはコンパクトにまとまっている。スタンドは直径180ミリと小型で、設置スペースは非常に小さくて済む。奥行きだけを見れば、低価格ミニノートPCの「Wind Notebook U100」とほぼ等しい。

 本体部分は左右それぞれ80度の回転、後ろに15度傾くので、液晶位置の微調整は容易に行える。また、ドライバーを使って4本のネジを外す必要があるものの、高さを307/327/347ミリと3段階に切り替えられる。重量は約5.5キロあるが、スタンドが取っ手を兼ねているので持ち運びは苦にならない。

 ソニーの15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載したVAIO type Lと違ってバッテリーは内蔵せず、電源はACアダプタで供給される。ACアダプタはスティック型で、サイズが30(幅)×132(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量が約250グラムというFMV-BIBLO LOOX Rシリーズと同じ部材を採用する。

スノーホワイトのPC本体とステンレス製のスタンドで構成されるFMV-DESKPOWER F(写真=左)。液晶ディスプレイ部分は後ろに15度までチルト可能だ(写真=中央)。PC本体の高さは3段階に切り替えられるが、背面のカバーをとって4本のネジを回す必要がある(写真=右)

同社のモバイルPC「FMV-BIBLO LOOX R」シリーズと共通のACアダプタを採用する(写真=左)。ACケーブルの接続端子は背面にあり、ケーブルが外れないようにロック機構が用意されている(写真=右)

アスペクト比16:9の16型ワイド液晶ディスプレイを搭載

16型ワイドのスーパーファインVX液晶ディスプレイを採用。明るさは8段階に切り替えられる

 液晶ディスプレイは、アスペクト比が16:9の1366×768ドット表示に対応した16型ワイド液晶ディスプレイを搭載する。表面に光沢処理を施した高色純度・高解像度スーパーファインVX液晶を採用し、見栄えのある表示を実現している。光沢液晶ゆえ映り込みは避けられないが、前述のチルト&スイベル機構を使うことで映り込みを軽減することは可能だ。

 前面下部の右側には、タッチセンサ式の液晶輝度調整、電源、光学メディア排出の各スイッチが並ぶ。HDDのアクセスランプを含め、白色LEDを透過させて淡い光で演出しているのも効果的といえる。

 主なコネクタは左側面のカバー内に格納され、見た目にも気を配っている。左側面のカバー内にはPCカードスロット(Type II×1)、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)、2基のUSB 2.0、マイク、ヘッドフォンがあり、DVD±R DL対応のスロットインDVDスーパーマルチドライブ、1基のUSB 2.0端子が右側面にある。背面には100BASE-TX対応の有線LANと2基のUSB 2.0ポートと最小限の構成ではあるが、過不足なくまとまっているといえるだろう。

電源ボタンや輝度調整、HDDアクセスランプ、イジェクトボタンはタッチセンサで、白色LEDランプの光が本体カバーを透過する(写真=左)。DVD+R DLメディアに最大8倍速、DVD-R DLメディアに最大6倍速、DVD-RAMメディアに最大5倍速で書き込めるスロットインタイプのDVDスーパーマルチドライブを右側面に備える(写真=中央)。主要なコネクタは左側面にまとまっており、未使用時はカバーで覆っておける(写真=右)

 キーボードとマウスは無線式で、前者はFMV-DESKPOWER LXシリーズと共通のテンキー付きキーボードを採用する。5つのプログラマブルキーと音量調整ボタンを搭載し、電池残量やCapsLockなどの状態を確認できるLCDウィンドウを内蔵しているのが特徴だ。不規則な配列もなく、主要キーで19ミリのキーピッチ、3ミリのキーストロークと不満のないスペックを備えるが、キー入力時にカチャカチャという耳障りな音が発生する。また、サイズは388(幅)×150(奥行き)×15〜29(高さ)ミリで、未使用時は本体下部のスタンドに収納しておけるが、PC本体を3段階の1番下の高さ(307ミリ)に設定すると、液晶ディスプレイを後ろにチルトしないとスタンドに収納できなくなるのはいただけない。

 チルトホイール機能を持つマウスは、キーボードと同様にロジクール製だが多機能ドライバは導入しておらず、OS標準の機能で供給される。底面には電源スイッチがあり、電池がなくなると赤いLEDランプが光ってユーザーに知らせてくれる。

テンキー付きキーボードと横スクロール機能を備えたマウスはワイヤレスタイプだ(写真=左)。どちらも単三乾電池2本で動作する。キーボード上部にある5つのワンタッチボタンは「ワンタッチボタンの設定」で任意のアプリケーションを登録できる(写真=右)

 次のページでは、本機のアーキテクチャとパフォーマンスを見ていこう。

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