富士通が4月22日に発表したPC夏モデルの中で、とりわけ異彩を放つのが液晶一体型PCの新作「FMV-DESKPOWER F」だ。これまで富士通の液晶一体型PCは、19〜22インチワイド液晶ディスプレイやデジタルTVチューナーを搭載した主力の「FMV-DESKPOWER LX」シリーズと、19インチワイド液晶ディスプレイを備えつつ省スペース性と低価格に配慮した「FMV-DESKPOWER EK」シリーズが販売されてきた。
しかし、ライバルのNECは「VALUESTAR N」、ソニーは「VAIO type L」といった“ボードPC”と呼ばれる薄型の液晶一体型PCを展開している一方で、富士通のFMV-DESKPOWERには競合機種が不在だった。これは、液晶一体型PC市場でFMV-DESKPOWER LXが好調なセールスを記録しており、ノートPCのアーキテクチャを使ってスリムなボディに仕上げるボードPCは爆発的にヒットしていなかったから、という背景がある。
とはいえ、昨今ではデスクトップPCの売れ筋がセパレート型のスリムタワーから液晶一体型に完全に移行しており、それとともにiMacをはじめ洗練されたデザインを求めるユーザーが女性層や若年層を中心に少なからず増えつつある。先に挙げたボードPCのシェアも無視できない状況になっていく中で、富士通が満を持して投入したのが、このFMV-DESKPOWER Fというわけだ。
FMV-DESKPOWER Fは後発製品ということで、これまでのWindows搭載ボードPCとは異なるデザインに仕上がっている。その容姿は、Windows PCよりはMacを強く意識したに違いない。特に、シンプルな形状のスタンドに曲線を帯びたスクエアなPC本体が載せられたデザインは、iMacをほうふつとさせる。インタフェースを何でも盛り込まず、必要十分なレベルにまとめているのもFMV-DESKPOWERの他機種には見られなかった部分だ。
CPUのCore 2 Duo T8100(2.1GHz)や250GバイトHDDなど、主な製品仕様については既報の通りなので割愛し、ここでは入手した試作機の外観をじっくりとチェックしていこう。なお、写真の機体は実際の製品と内部が一部異なるなど、ベンチマークテストを実行できる環境ではなかったので、パフォーマンスなどの評価は行っていない。
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