黒くて“四角い”リビングPC「FMV-TEO/A90D」を試す富士通謹製リビングPC(2/4 ページ)

» 2008年08月15日 16時16分 公開
[都築航一,ITmedia]

PCのパフォーマンスはまずまず

Windowsエクスペリエンスインデックスの画面

 本機の性能を試すべく、ベンチマークテストを行った。Windowsエクスペリエンスインデックスは、ゲーム用グラフィックスが4.0、Windows Aeroのグラフィックスが4.2と足を引っ張っているが、統合型チップセットであることを考えれば健闘している。PCMark05のスコアは3827、3DMark06のスコアは1389(1280×1024ドット)と万全とはいえないものの、Windows Vistaを快適に扱えるだけのパフォーマンスを備えている。決してハイパフォーマンスではないが、日常の用途で不満に感じることはなく、プリインストールソフトウェアの中でもCPUの負荷の高い、Ulead DVD MovieWriterを使ったAVCHDカメラの映像編集も、このクラスのPCとしては快適に行えた。

 リビングへ持ち込む際に気になる動作中のノイズについては、CPU冷却ファンのすぐ上に大きな排気口が開いているためか、システムに高い負荷が続くと風切り音が大きくなった。AVラックに収納したり、昼間のにぎやかなリビングでなら気にならないかもしれないが、静かな深夜には耳障りに感じるときもあるだろう。ただし、通常の状態でHDDの発する振動がほとんど感じられなかったことは付記しておきたい。

左からPCMark05、3DMark06、FFベンチの結果

対応テレビでは自動設定でドットバイドット表示が可能

 本機のPCとしての性能を把握した上で、早速、付属のHDMIケーブル(1.5メートル)で大画面テレビに接続してみよう。同社のWebページでは、動作確認済みテレビの一覧表が公開されているが、一覧表に載っていないパナソニックの26型液晶テレビ「TH-26LX60」(1366×768ドット)に接続したところ、1280×720ドットで画面いっぱいに表示され、すぐに利用できた。また、東芝の42型液晶テレビ「REGZA 42Z2000」(1920×1080ドット)でも同様だった。

 画面から離れたところでも見やすいように、デフォルトでウィンドウの文字サイズなどが大きめに設定されているのも親切だが、マウスポインタのサイズなどを簡単に変更可能なユーティリティ「ゆったり設定2」を使えば、画面から離れた場所でのPC操作をさらに快適にできる。なお、画面サイズの設定では、ほかに1152×648ドットや1776×1000ドット、1920×1080ドットを選択できたが、いずれも周囲に黒い枠ができるアンダースキャン表示になった。とはいえ、スキャンサイズの調整はグラフィックスドライバのユーティリティである「ATI Catalyst Control Center」で行えるので、1920×1080ドット表示でも画面サイズいっぱいに表示できた。

 なお、パナソニックのビエラリンク対応「VIERA」シリーズや、シャープのファミリンク対応「AQUOS」シリーズといった動作確認済みテレビとの組み合わせでは、本製品の付属ユーティリティ「TEO Utility」が初回起動時にテレビを判別してドットバイドット表示に自動調整したり、テレビのリモコンで本製品を操作し、蓄積されたコンテンツを再生させたりといった連携を実現している。

ゆったり設定2では、文字やアイコンの大きさ、ポインタの移動速度などをまとめて決められる(写真=左)。Catalyst Control CenterにはHDMI接続したテレビに関する微調整の機能が用意されており、スキャンサイズの変更にも対応する(写真=中央)。TEO UtilityはイルミネーションLEDの設定だけでなく、対応テレビ接続時に画面サイズを自動調整する「かんたん設定」機能や、テレビの電源オフとPCのスタンバイを連動させる機能も備えている(写真=右)

 本機の入力インタフェースとしては、タッチパッド一体型の小型キーボードと光学式マウスが付属する。ともに無線タイプで、ケーブルに煩わされることなく扱えるので重宝するが、タッチパッドを右側に配したキーボードはサイズが388(幅)×150(奥行き)ミリとやや大きく、いかにもPCの入力機器然としたデザインが変更されなかったため(カラーは本体に合わせて黒に塗り替えられた)、リビングで「浮いてしまう」のが心配だ。

 同梱の赤外線リモコンは、長さが253ミリと大柄だが、テレビ視聴/録画時に便利なことに加え、マウスカーソルのエミュレーションやキー入力にも対応しており、リモコンだけでもPCを操作できる。

テンキーを省いたワイヤレスキーボードと、チルトホイール機能を備えたワイヤレスマウス(光学式)が付属する(写真=左)。PC本体のボディカラーに合わせて黒に変更された。赤外線リモコンもカラーリングが黒に変わっている(写真=中央)。文字入力はリモコンからも行える。写真はテレビ番組表の検索キーワードをリモコンで入力しているところ(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  7. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. 日本HP、“量子コンピューティングによる攻撃”も見据えたセキュリティ強化の法人向けPCをアピール (2024年03月28日)
  10. そのあふれる自信はどこから? Intelが半導体「受託生産」の成功を確信する理由【中編】 (2024年03月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー