本機の性能を試すべく、ベンチマークテストを行った。Windowsエクスペリエンスインデックスは、ゲーム用グラフィックスが4.0、Windows Aeroのグラフィックスが4.2と足を引っ張っているが、統合型チップセットであることを考えれば健闘している。PCMark05のスコアは3827、3DMark06のスコアは1389(1280×1024ドット)と万全とはいえないものの、Windows Vistaを快適に扱えるだけのパフォーマンスを備えている。決してハイパフォーマンスではないが、日常の用途で不満に感じることはなく、プリインストールソフトウェアの中でもCPUの負荷の高い、Ulead DVD MovieWriterを使ったAVCHDカメラの映像編集も、このクラスのPCとしては快適に行えた。
リビングへ持ち込む際に気になる動作中のノイズについては、CPU冷却ファンのすぐ上に大きな排気口が開いているためか、システムに高い負荷が続くと風切り音が大きくなった。AVラックに収納したり、昼間のにぎやかなリビングでなら気にならないかもしれないが、静かな深夜には耳障りに感じるときもあるだろう。ただし、通常の状態でHDDの発する振動がほとんど感じられなかったことは付記しておきたい。
本機のPCとしての性能を把握した上で、早速、付属のHDMIケーブル(1.5メートル)で大画面テレビに接続してみよう。同社のWebページでは、動作確認済みテレビの一覧表が公開されているが、一覧表に載っていないパナソニックの26型液晶テレビ「TH-26LX60」(1366×768ドット)に接続したところ、1280×720ドットで画面いっぱいに表示され、すぐに利用できた。また、東芝の42型液晶テレビ「REGZA 42Z2000」(1920×1080ドット)でも同様だった。
画面から離れたところでも見やすいように、デフォルトでウィンドウの文字サイズなどが大きめに設定されているのも親切だが、マウスポインタのサイズなどを簡単に変更可能なユーティリティ「ゆったり設定2」を使えば、画面から離れた場所でのPC操作をさらに快適にできる。なお、画面サイズの設定では、ほかに1152×648ドットや1776×1000ドット、1920×1080ドットを選択できたが、いずれも周囲に黒い枠ができるアンダースキャン表示になった。とはいえ、スキャンサイズの調整はグラフィックスドライバのユーティリティである「ATI Catalyst Control Center」で行えるので、1920×1080ドット表示でも画面サイズいっぱいに表示できた。
なお、パナソニックのビエラリンク対応「VIERA」シリーズや、シャープのファミリンク対応「AQUOS」シリーズといった動作確認済みテレビとの組み合わせでは、本製品の付属ユーティリティ「TEO Utility」が初回起動時にテレビを判別してドットバイドット表示に自動調整したり、テレビのリモコンで本製品を操作し、蓄積されたコンテンツを再生させたりといった連携を実現している。
本機の入力インタフェースとしては、タッチパッド一体型の小型キーボードと光学式マウスが付属する。ともに無線タイプで、ケーブルに煩わされることなく扱えるので重宝するが、タッチパッドを右側に配したキーボードはサイズが388(幅)×150(奥行き)ミリとやや大きく、いかにもPCの入力機器然としたデザインが変更されなかったため(カラーは本体に合わせて黒に塗り替えられた)、リビングで「浮いてしまう」のが心配だ。
同梱の赤外線リモコンは、長さが253ミリと大柄だが、テレビ視聴/録画時に便利なことに加え、マウスカーソルのエミュレーションやキー入力にも対応しており、リモコンだけでもPCを操作できる。
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